テラーノベル
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「これ、案外面白いじゃん!」
そう、戻ってきたUNKNOWNに言う
気づけばもう既に600ページほど読んでいた
本の中身は兄が妹を救う、、、よくありそうな
設定の話なのだが、先が読めなくて逆に
面白い
「気に入ったなら良かったよ」
そう言って彼は微笑む
これを全部読むとなると相当な時間がかかりそうだが、そこまでしても読みたいと思えるほどいい話だった。読んだ後だと彼がこの本を勧めたのも分からない話ではない
「私、ちょっと外で体動かしたいかも〜」
本当はそこまで体を動かしたいわけではないのだが、なんとなくこの空間の事をもっと知りたいと思い、外に出たいと彼に言ってみる
すると彼は、嬉しそうな表情でもちろん、
と言うようにOKを出してくれた
_______________ガチャ
図書室のような場所から出ると、
つい数時間後も見たような景色が淡々と続いている。その景色に安心感?のようなものを覚え、足を進める
「そろそろ疲れてきたか?」
彼が突然足を止め、私の顔を覗き込みながら聞いてくる。正直言って、もう既に歩き始めてから数十分経っているので、当然もう歩く気すら湧かない
「まぁ〜まだ大丈夫かな!」
ただやっぱりストレートに言うのは良くないと感じたので無理やり顔に笑顔を貼り付け、大丈夫と言っておく
スッ…
「ひゃう…!?」
一応、大丈夫と言っておいたのに、彼には分かっていたらしい。突然脇の辺りを彼の細い腕が通り、そのまま抱き上げられる
当然そんなことを急にされるとは思ってもいなかったので、勢いで変な声が出てしまう
「あっ…!えっと〜…」
彼に目線で大丈夫だから!と伝えてみるも、彼は特に気にしていないようだ…
どうしようと考えるも、いい案が思い浮かばず、そのまま彼に身を任せる
「大丈夫、もうすぐ着くから」
そう言いながら彼が私の耳に半ば強引に
耳栓のようなものを詰めてくる
抵抗しようかとは考えたが、もう眠過ぎてそれどころではなく、そのまま視界がブラックアウトする
最後に聞こえたのは、あの、最初にここを通った時に聞こえてきたあの声
同じような声だったけれど、あの時よりもはっきり聞こえた気がした
_______________
コメント
10件
あらぁ〜積極的!
自分もお姫様抱っこされたいよ~