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ちょっと説明
✖️…葉内千歳
👓…藤染鞍藍
🦊…蜂園舞
🐈…猫宮由里
🌸…雪詩水冷
🩸…影谷烏宵
🩷…山月奏
🍽️…更科薆
✨…爽籟紫沫
🌙…爽籟彩糸 です。
?視点
からん、ころん。
そんな音が響くと、私は拭いていたカウンターから顔を上げた。
「いらっしゃいませ」
そう言い、やってきたお客様の方を見る。
「こんにちは、更科さん。」
ー改めて、薆視点
そこに居たのは私の知り合いであり、友人の葉内千歳だった。
🍽️「君が一人で来るなんて珍しいね。いつも一緒にいる仕事の方々は?」
✖️「今日は皆さんには休暇を出しているので。あ、コーヒーを一つお願いします。」
🍽️「かしこまりました。」
いつも通り、千歳が頼む通りのコーヒーを淹れる。砂糖なし、ミルクあり。以前までは砂糖も入れていたのに、 「もう大人なので」
なんて言ってやめた。しばらくは苦そうにしていたあの顔が鮮明に思い出せる。
✖️「そういえばあの二人いませんけど、どうしたんですか? 」
🍽️「久しぶりに二人で遊びに行っているよ。はい、コーヒー。」
ことり、とカップを置く。千歳は少しだけふぅ、と息をかけた後、一口飲んだ。表情を見るに、もうとっくにこれは苦くないらしい。
🍽️「それで…今日はどうしたの?相談?」
千歳が来る時なんて、だいたい相談があるか何かしらトラブルがあった時くらいしかない。たまに良い報告もしてくれるけど。
✖️「はい。その、最近また依頼を受けたんですが…あ、もう解決はしましたし、きちんと依頼料もいただきましたよ。でも…ある子を、危険な目に遭わせてしまって。 」
🍽️「あの子…か。鞍藍さん?それとも水冷さん?」
✖️「水冷ちゃん…です。あの依頼、絶対に宗教関連だと思っていたので、烏宵がいれば問題ないようなタイプだと思っていたんです…」
🍽️「それで当てが外れた、と…」
✖️「はい。本当はあの子を依頼に行かせることすらしたくない…だってあの子は、」
🍽️「落ち着いて。大丈夫、分かってる。」
✖️「っ…すみません、取り乱しました。」
そう言いごくり、と音を立ててコーヒーを飲む。千歳はいつもそこまで音を立てないのに、きっと相当感情的になったんだろう。
✖️「…とにかく、私はまた危険な目に遭わせてしまったんです。やっぱり私には向いていないんですよ、こんな事…先輩の方がっ、」
🍽️「千歳。」
✖️「っ、はい…」
私はカウンターから出て、千歳の隣の椅子に座る。千歳は少し驚いたようにこちらを見つめていた。
🍽️「私は、君になら出来ると信じて任せたんだよ。それに、本当に向いていないのならきっともっと怪我人も多いし、死者も出てる。…私の時のようにね。」
✖️「でも、それは…」
🍽️「とにかく、君は私のお墨付きなんだから。胸を張りなさい?君はいつもよくやっているよ。難しい仕事なのによく頑張っている。」
✖️「…本当ですか?」
🍽️「もちろん。それに、君がそんな風では彼らも心配なんじゃないかな?」
✖️「…確かに、そうですね。ありがとうございます、元気出ました。」
🍽️「なら良かった。」
✖️「その、いつもありがとうございます。これお代です。」
🍽️「はい、頂戴しました。またいつでも来て良いからね。」
✖️「はい、ではまた。」
からん、ころん。
その音は、入店時よりも少し明るく聞こえた。
🍽️「またのお越しをお待ちしております。」
ぽつり、とそう呟いてカップを片付ける。
さぁ、次はどんな客が来るのだろうか。
ー喫茶店アカシアのある日の出来事ー
今回は日常回にしてみました。
思ってたより楽しかったので次も日常回にするかもです…ちなみに、今回の情報が後の考察に繋がるかもしれません。まだほぼ伏線とか張ってないけど。