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「な、なんて魔法の威力だ……」


「口だけじゃない、実力でも……」


「さすがクラウド家、ってわけか……」


「やっぱり、貴族には敵わないのか……」



ザワザワと、口々に感想を口にする新入生たち。モブクズの魔法は彼らに大きな衝撃を与え、会場の雰囲気を一変させていた。魔法を放つ前はモブクズに批判的な目を向けていた者たちが、今は絶望の表情を浮かべている。



「ま、ざっとこんなもんだな。これで実力の差がわかっただろ?愚民どもは精々身の程を弁えて、我の邪魔にならないよう、隅っこでコソコソ生きてれば良いんだよ! ハーハッハッハッハッ!」



馬鹿みたいに高笑いするモブクズを横目に、菜乃葉は小さくため息をついた。




菜乃葉

「モブクズは先に訓練を受けてて、少し魔法に慣れてる。それだけの話。これから学校で学べば、追い越せる。だからあいつの言う事なんて、全然気にしなくて良い。……そうでしょ、美音さん?」


美音

「う、うん。そうだよね…きっとそうだよ、そうだよね!!」



口ではそう答えつつも、美音は浮かない表情のままだ。見せつけられた魔法の衝撃が、目に焼き付いてしまったのだろう。モブクズの方が優れていて、その差を覆せない。そんな誤ったイメージを、モブクズだけではない、多くの新入生が抱いてしまった。これから先の学校生活、ずっと貴族に傅かしずいて、身を低くして生きなければならない。そう、想像してしまった。



「何あいつ…」


「次、夏菜。着いてきて下さい」


「ああっ、もう。……はいっ!」



とはいえ、菜乃葉も少し衝撃を受けていた。その時、他の人の番が来ていた。試験官に着いて行く人はブツブツと何かを呟いていた。



「目立つのは嫌いだけどアイツの下にいるのも尺に触るしッ」ボソッ



この程度の貴族の振る舞いは、何度も見たことがある。何も考えず、受け流すべきだ。


菜乃葉はそう考えているが、試験管に呼ばれた人は憎ったらしい表情を浮かべ、復讐心に満ちている。


その気持ちのまま標的の前に立ち、勢いよく構えの姿勢を取ったその人。




「愚民だって努力してるんだ」



ブツブツと努力がなんの囁いているその人の脳裏に過るのはモブクズの魔法、高笑い、周囲の反応、そして……自分の努力を踏み拗られたような感情。



「準備が出来たら、自分のタイミングで魔法を放って下さい。では、試験始め!」



淡々と告げられる、試験開始の合図。それに続いて、少し期待の籠もった周囲の目。




――その瞬間、その人の中で何かが弾けた。




「一握の燐・鳴く殻・咲き散れ・誇り高く・爆ぜろ___【極大焔轟撃(アストヴォルゼン)】」



流れるような詠唱。その人の頭上に生じる、身の丈よりも巨大な花びら。静かに詠唱が完了した瞬間、それは恐ろしい速さで放たれ、標的に激突する。と同時に、周囲一帯が激しい閃光に包まれ、雷の如き轟音が鳴り響く。


光と音の両方が収まった時、人々は魔法が着弾した場所を見て、さらなる衝撃を受けた。確かにそこにあったはずの標的は、跡形もなく消滅していた。



「…………あっ、やり過ぎた」



我にかえったその人が、小さく呟いた。





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夏菜


真面目で本を読むのが好き

本と鮫と目立たない場所も好き

虐める奴や目立つ場所が嫌い


魔法…花魔法、変身魔法




↓戦闘バージョン

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めんどくさがりの魔法学校!

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