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デデデ城にあるリビングから、楽しげな声が聞こえてくる。そこではフームとブン、パーム夫妻が家族団欒でくつろいでいた。ブンは今日あった出来事を話す。パームとメームはブンの話を微笑むように聞く。
「そういえば、マホロアがママとパパに挨拶したいって」
思い出したかのようにブンがパームとメー厶に聞いてきた。実は一昨日、マホロアがフームとブンには仲良くしてもらっているので、親に挨拶がしたいと相談させられていたのだ。
「マホロアさんって、前話していた人かい?」
「そうだよ、今度家に連れてきてもいい?」
「私はかまわないが、ママはどうだい?」
「いいわよ、私達もご挨拶しとかないとね」
それを聞いたブンとフームは顔を明るくして待ちきれない様子だ。2人はその様子を和やかに見ていた。
当日、家事が落ち着いた頃に、複数の足音が近づいてくる。どうやらマホロアを迎えに行ったフームとブンが帰ってきたようだ。扉の開くがした。最初に聞こえたのはブンの声だった。
「ただいま!」
ブンの元気な声に、おかえりなさいとメームが返事をする。
「ママ、パパ紹介するわ、この方がマホロアよ」
「旅人のマホロアダヨォ、2人にはナカヨクさせてモラッテいます」
マホロアは人並みの善い顔で応えた。
「ええ、話は聞いてます。うちの子達を見てくれてありがとうね」
「イエイエ、そんナァ」
「申し遅れました、私はメームこちらが夫のパーム」
と難なく挨拶が進み、たわいのない会話をして無事に終わった。その後ボク達はメタナイト卿達にも挨拶に出向いた。長い廊下を歩いてようやく目的地の前に着いた。フームが戸をノックして呼びかける。そうすると中からメタナイトが出てきた。
「おやフームにブン、それにマホロアもどうかしたのか」
「今回はマホロアの挨拶回りなの」
「で、メタナイトのところに来たんだ」
「そうだったのだな、ここではなんだから中に入ってお茶でも出そう」
ボク達はメタナイトの誘いに乗り中に入った。中に入ると部屋には、必要最低限の物が置いてあり物は少ないが中には掛け軸や畳もあり、和を感じさせる部屋だった。どうやら部屋にはメタナイト1人だけだったようだ。それに気づいたのかフームがメタナイトに聞く。
「メタナイト卿、ソードとブレイドは?」
「2人なら見回りをしている、もうすぐ帰ってくるはずだ」
メタナイトはそう言いながらボク達にお茶を出してくれた。
「メタナイト急に来てゴメンネェ」
申し訳なさそうに言うマホロアに、安心させるように優しく言った。
「そんなこと気にしなくていい、それよりも挨拶回りと言っていたな」
「そうダヨォ、さっきパームさんとメームさんに挨拶し終わったところダヨ」
「そうだったのだな」
メタナイトがそう言うと、後ろのドアが開く音がした。それも慌ただしく。
「どうした、そんなに急いで」
部屋に入ってきた2人の人物を見て冷静に話すメタナイト卿、そんな様子に2人は焦りを見せる。
「卿大変です!」
「デデデがまた魔獣を購入しました!」
「またデデデが!」
「ほんっと呆れたわ…」
「デデデは今どこにいる」
「さっき部屋を出ていったので、先回りすれば追いつくかと」
「わかった、ソード、ブレイド行くぞ!」
「「はい!」」
3人は流れるように部屋から出て行ってしまった。ボクはできるだけ面倒事には関わりたくないのだが、フームとブンを見るとそうでも無くなりそうだ。
「私達も行きましょ!」
「そうだぜデデデを止めよう!」
「エェ…」
ボクは乗り気ではなかった、しかし一応今の保護者はボクだけ、2人に怪我をさせては後味が悪いし2人を危険に晒す訳には行かなかったので、しょうがなくついていくことにした。カービィを連れて急ぐ2人に続いて駆け足になるようにボクはついて行く。先が見えないぐらい長い廊下を通っていったらようやく見えてきた。デデデとエスカルゴンのいつもの2人組に、その後ろにいるのは魔獣?のようだ。通常よりも図体が大きくガッシリとしているが、身のこなしは鈍そうなブロッキーがいた。それとメタナイトとあの2人の姿も見えた。 デデデがボク達に気づいたようだ。
「あ!フーム達もいるゾイ!」
「みんなして私たちを止めに来たのでゲスか?」
イラついているデデデに対してエスカルゴンは、なんだか落ち着いた様子だ。
「無理だとわかってても言うわ…あなた達、今度は何するつもり!?」
「そっそうだぜ、何かしたら俺たちとカービィが許さないからな!」
「だがここにはカービィは居ないゾイ」
「そうでゲス、カービィがいなければ魔獣は百人力でゲス」
二人は余裕を見せているが、予想を反するように忽然と彼が現れた。
「ぽよぉ!」
「「カッカッカッ、カァビィー!!??」」
そこに居たのは、ピンク色のまん丸い体つきでデデデ達に純粋な目を向けているカービィだった。
「カービィいいところに来たわ!」
「えぇいしょうがない、魔獣ブロッキーよ、カービィをやっつけるゾイ!」
命令を聞いたブロッキーは、ゆっくりと頷きずっしりと体を動かしてカービィの方を向いた。
「や、やべぇぞ…」
「カービィ逃げるわよ!」
フームはカービィの手を取り、今来た道を戻って逃げていく。ブロッキーは地響を鳴らしながら追っていった。
「卿、私たちも行きましょう」
「わかった、マホロアそなたは部屋に戻ってなさい」
「エッ、デモ…」
「関係ないそなたまで危険に晒してどうする、今のフーム達は私たちに任せてくれ」
実際にメタナイト卿の言う通りだ。ボクがフームたちを追っても何ができるか分からないし、危害が及ぶかもしれない。それに何かあった時のために待機しておくことも良いと思った。ボクはメタナイト卿の言うことを聞いた。
「ワカったよメタナイト…気おつけてネ」
「ああ、」
メタナイトは強い眼差しで前を向き、2人を連れて行ってしまった。ボクは戻ろうとふと周りを見渡した、するといつの間にかデデデとエスカルゴンがいなくなっていた。
空間全体を覆いながら後ろから迫り来る重い音に緊張感よりも怖さが勝ってしまうほど、圧倒させるようなスピードでぐんぐん迫ってくる。カッカッカッと硬い床に響かせる足音が、今の3人の状況だ。しかし、後ろから段々と足音が聞こえなくなっていく。どうしたのかとフームが足を止める。
「どうした?」
「なんだか、様子がおかしいわ…」
さっきまで僕らを追ってくる重たい足音が聞こえてこない。不思議に思い立ち尽くしていると突如として魔獣ブロッキーは弧を描くように力強く跳び、前に立ちはだかってきた。そのとき着地した衝撃で床の表面がひび割れ断層ができた。宙に浮いたような感覚がしてバランスが崩れそうになるが、何とか踏みとどまった。
「うわあぁぁぁ!!」
「こっちよ!」
フームはブンの方をちら見して腕を取り、反対方向に走った。
「姉ちゃんこのままじゃ追いつかれるぞ!」
「二手に別れましょ、ブンは右へ!」
ブンはフームの言われるがままに、右にある分かれ道に走った。魔獣ブロッキーは一瞬迷いを見せたが、そのまま真っ直ぐフームとカービィを追いかけてくる。目線の先には遠回りしてきただろうメタナイト卿の姿が見えた。
「フームこっちだ!」
フームは必死の思いでメタナイト卿のいた部屋の中に飛び込んだ。メタナイト卿はすぐさまドアの前に重い家具を置いた。フームは疲れが出たのか肩から力が抜け床に座り込んでいた。
「フーム疲れているところすまないが、すぐこの部屋から出ないと奴が追いついてくる。ここは一時しのぎにしかならん。」
そう言ってメタナイト卿は腰をかがめてフームが立ち上がれるように手を差し伸べた。
「立てるかフーム」
「え、えぇ」
メタナイト卿の助けもありつつ、なんとか敵から離れることは出来たが状況は変わらず自体だ。2人はこの部屋に入ってきた扉の反対側にある扉から出ていく。追いついてきた魔獣ブロッキーが私たちがいた部屋に体当たりをしてきた。その衝撃で白い煙が立ち、扉が倒され壁も壊され瓦礫となる。持ち前の頑丈な体のせいで怪我ひとつせず、すぐに私たちを追ってくる。走っていると大広間に入った。大広間の真ん中にきた所で上から聞き覚えのある声が聞こえた。
「ねぇちゃーん、メタナイト卿下がってぇ!」
声の方を見るとそこにはブンの姿があった。隣にはソードとブレイドもいる。3人は持っていた大きな重り付き網を上から魔獣に目掛けて落とした。網は魔獣に覆いかぶされ、身動きが取れなくなっている。
「やったぞ!」
「よっしゃぁぁ!どんなもんだい!」
「凄いわみんな!」
「後はカービィの出番だな」
「ぽよ!」
カービィは任しておけと言わんばかりに、手を胸に置いて目をキリッとさせている。メタナイト卿が自身の懐から予備の短剣を取り出すとカービィに吸い込ませた。するとカービィが高く上がると光出し、ソードカービィとなった。するとカービィは網の中で蠢いてる魔獣ブロッキーに向かって剣を振りかざした。
『ソードビーム!』
剣からは青白いスラッシュが飛び出し、魔獣ブロッキーは紛うことなき抵抗できずにそのまま光に飲み込まれたのだった。当たりが静かになると、感激が湧き起こる。
「やったぜ!」
「凄いわカービィ!」
ブンは思わず飛び跳ねた。フームは両手を広げて大いに喜ぶ。そんな2人を見るメタナイト卿もなんだか微笑ましそうにしている。一件落着したので皆でメタナイト卿の部屋に戻って休むことにした。部屋に戻るとマホロアがお茶を入れて待っていた。
「アッ、オカエリナサイ〜」
「マホロア、部屋に戻ってたのね」
「メタナイトに頼まれて何かアッタ時のタメに部屋に戻ッテたんダ、マァけっきょくは無事で良かったケド…ミンナのためにお茶を入れて待ッテたヨ」
「マホロアありがとう嬉しいわ」
「それより聞いてくれよマホロア!俺魔獣をやっつけたんだぜ!」
「ワァーオ、ソレはスゴイネ!ブン」
「でも、最後にやっつけたのはカービィでしょう」
呆れた声で言うフームにブンはムキになる。
「でも姉ちゃん!魔獣を止めたのは本当でしょ!」
「ソウダッタンダ…でもボク、ブンの活躍を見てミタかったナァ〜」
フームとブンとは少し信頼度が上がったような気がした。そんな会話をしてる裏では魔獣が倒されたことに気がついて腹が立ち、カスタマーの所にいる者達がいた。
「カスタマーよ、あれはなんゾイ」
「はて、なんのことでしょう」
「魔獣に決まっておるゾイ!」
「またカービィにやられたでゲス」
「それは残念です」
そう言い話を切り上げると計算機を操作して画面をこちらに映してきた。その画面には見るのが怖いぐらいに数字の桁が並んでいる。
「それはそうと、料金98463200デデンちゃんと支払ってもらいますね?」
「そっ、そんな金持ってないゾイ…」
「では、借金と言うことで次もごひいきに」
営業スマイルでそういうと画面はポツリと消え虚無だけが残り、デデデには多額の借金が追加された。
参考
CBC 星のカービィ サイト
https://www.hicbc.com/tv/kirby/next/list.php
第2話 大変!戦士のおうち探し
第37話 お昼のデデデワイドをつぶせ!