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なんで沈黙したのかは理由もわからず、なぜ高橋さんがあの作品をオススメにあげてたのかも分からずじまいで5.6時間目はその事で頭が沢山になっていた。
相変わらず隣で、窓の外を見ながら何を考えているのかは分からないがブックカバー次の本というか小説を読んでいた。
ねー、高橋さんあのさっ言いたくなければ言わなくてもいいんだけどと話を続けたら、それ何読んでるのと。話しかけた
すると、えっとそのあの、秘密というかなんというか。あまり面白くないよ、と何か誤魔化されたような気がした。
声に耳って書いてあれ漢字難しいよねなんて書くのっと気楽に聞くとはっきりと、
聲の形(こえのかたち)とさなしたのであった。
えーそんな読み方するんだ、読み終わったら僕にと読ましてよ。と好きな人が読んでる本を読んで見たい欲があったので僕は高橋さんが読み終わるのを待ち続けた。丁度1週間になる頃くらいだろうか。
高橋さんが本を貸してくれた。
僕の学校は、他の学校と比べて朝の時間に本読むという習慣がある。30分というう短い時間だが、僕からしたら短いようで長い時間だ。それをやっとこの借りてた本で時間が潰せると思い。読み始めた。
後ろにある付録の内容のところから僕は読むのだがこう書いていた親分肌の少年・石田将也は、転校生の少女・西宮硝子と出会って退屈な日常を忘れる。しかし、ある出来事をきっかけに周囲から孤立し、心を閉ざしていく将也。そして5年後、高校生になった彼は別の学校に通う硝子のもとを訪れる。
恋愛ものかーーと思いながら1ページ目からみることにした、聲の形。
僕は30分間小説の世界観にドップリと浸っていた。
まだ、小説の10分の1も読んでいないが僕は心にズキンと響くものを感じた。硝子が聴覚障害によっていじめを受け、将也がそのいじめの中心人物になったことで周囲に孤立するという所で止まった。
聴覚障害と言ってもどこまでのものだろうか、僕はそのヒロインの女の子の気持ちが痛いほどわかった。
高橋さんが、一瞬渡すのを拒んだ理由がわかった。
聲の形を僕に渡そうとしなかった理由は、僕が聾者だからということだとわかった。
僕は帰り道登下校の時に高橋さんを見つけたが相変わらず、小説を読みながら帰っていた。
声をかけようかと思ったが世界観に浸っていたら危ないので、車に轢かれないようにと後ろから着いていってしまっていた。
帰宅部だということもあり、家は意外と近くにあった。近くといっても10分ほどかかるが
僕はなぜ、聲の形をあの人が読むに至ったんだろうと思うようになった。
僕のことがきっかけなのか、それともだれかのきっかけなのか。。
すると、お姉ちゃんただいまーとなんとも可愛い声が響き渡った。あら今日は早かったわねーと
あれは妹だろうか小学校1年生くらいの女の子と、お母さんが立っていた。僕はバレないように身を潜め隠れていたがあることに気づいてしまった。。。
それは、妹とみられるこの両耳に補聴器のようなものをつけていた。僕は感極まってその場から離れた。こんな身近にいたからあの小説を読んでいたのか、と、おそらく彼女は妹の聴覚障害に寄り添いたかったのではないかと感じた。
色々なことを想像して考えていると僕の目からアスファルトに涙が落ちていくのがわかった。