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ロボロ「○○、ってあの○○、やんな…?」
確認するようにもう一度聞き直すロボロ。
ゾム「ほんまに○○なん!?」
びっくりしたような、でもどこか喜びも入っているような声で立ち上がったゾム。
トントン「んな訳あるかいな。」
信じられない、とでも言いたそうな顔で呆れたように言うトン氏。
鬱先生「いや、見てみぃや。だってそう書いてるねんもん…。」
みんなに信じてもらえなくってちょっとだけしょげる鬱。
ん…?あ、え?ちょっと待って。
ロボロ「ほんまや、見てみトントン?ちゃんと書いとる。」
トントン「・・・ほんまやわ。」
そういえばあの時頼んだデリバリーって…。
シャオロン「おい、誰のいたずらや。こんなんおもろないって。」
エーミール「お遊びでもこれは良くないですよ。」
ピザだったよね、確か。
これ、ワタシのせいでは?
そんなことを考えていたワタシの目の前では討論が行われていた。
チーノ「なぁ、ショッピ。これやばいやつちゃう?」
ショッピ「いちいち何してるんすかね。」
あーあ。
余計な事しちゃった感じかな…?
やらかしたなと思っているワタシの横ではヤイヤイと言い合いが起きている。
その様子を静かに見ていたチーノとショッピが口を開いた。
チーノ「ま、まぁまぁ。せっかくなんやし食べましょう!」
ショッピ「そうそう。これは○○さんからの贈り物ってことで。」
二人がそう言うとなだめると言い合いはピタッと止んだ。
コネシマ「贈り物、か…。」
エーミール「どこか良い響きですね。」
鬱先生「…ほんまに、そうかもしれへんな。」
シャオロン「なんでそう思うん?根拠も何もないのに。」
鬱先生「俺らの家の住所を詳しく知ってるのって○○くらいしかおらんし、それに…。」
ロボロ「…それに、なんや?住所なんて家知ってれば大体分かるやろ。」
鬱先生「んーん。このピザ屋さんはな、その送り主のスマホの電話番号が書かれてるねん。」
トントン「は?そんなん書いてたら悪用されるかもしれんやろ。」
鬱先生「ちゃんと伏せられてるって。笑 んで、その番号が俺のやねんな?」
エーミール「じゃあ、大先生が頼んだんじゃ…。」
鬱先生「いや、俺ピザやなくてちゃんとみんなの食いたいもん丁寧に頼んだもん。」
ゾム「やったら、ほんまに○○がしたん…?」
鬱先生「信じ難いけどそういうことになるな。」
鬱が丁寧にみんなの返事をして何とか落ち着きを取り戻したようだった。
ショッピ「収まってよかったな、チーノ。」
チーノ「○○さんのことになったら毎回こうなるからな。笑」
ショッピとチーノは2人で目を合わせてほっとしているようだった。
こういう時の仲裁役はこの2人なんだなってこの時初めて知った。
何だかんだ言ってみんなピザを食べ始めてる。
その数分後に、今日頼んだ夜ご飯のデリバリーが届いた。
(ピーンポーン
ゾム「はぁーい!今行きまーす!」
すぐに席を立って玄関に向かっていったゾム。
コネシマ「このピザ美味いな!」
いつも通り美味しいと言いながら食べるシッマ。
ロボロ「○○ちゃんが選んだやつやで?美味いに決まっとるやろ。」
当たり前だという感じで口をハムスターにしてピザを頬張っているロボロ。
、、、何だか照れくさいな…。
エーミール「相変わらずの○○さん愛ですね。笑」
鬱先生「ゆうてエミさんもやろ?笑」
エーミール「そりゃそうですよ。○○さんは優しくて綺麗で美しくて、それに・・・。」
今までに聞いた事のないような褒め言葉がスラスラとエミさんの口から出てくる。
シャオロン「ハンコってどこあるー?受け取りにいるんやって!」
そういえば、まだ帰ってきてなかったな。
ちょっと玄関覗いてみよ。
ゾムのことだし、届け物持ったまま立ち尽くしているのだろう。
そう思っていたけど実際は違った。
届けてくれたお兄さんと仲良く話をしていた。
ゾム「俺の幼馴染ほんまにおもろいんすよ。」
お兄さん「ここからでも聞こえてくるくらい賑やかですもんね。何人くらい居はるんですか?」
ゾム「俺入れて9人やで!ほんまは、全員で10人のはずやったんすけどね。」
お兄さん「お一人どうされたんですか?」
ゾム「天国やで…。○○の事やから、今頃俺らのことどっかで見守ってくれてますよ。笑」
悲しそうな、でもどこか誇らしげに言っていた。
お兄さん「そうだったんですね…。きっと、良い幼馴染さんだったんでしょう?」
ゾム「もちろんですよ!」
元気にお兄さんの返事をしたゾム。
良い幼馴染、かぁ…そんな風に思ってくれていたんだ…。
一瞬、心が暖まった気がした。
何故かハッキリは分からないけど、きっとゾムの言葉が嬉しかったんだと思う。
シャオロン「ゾムーハンコ持ってきたで!」
ゾム「お、ありがと…はい、お兄さん押せたで!」
お兄さん「ありがとうございます。ではまた。」
ゾム「また頼みまーす!」
少し機嫌を良くしてリビングに帰っていくゾム。
そのちょっと後ろをワタシは歩いてついて行く。
トントン「ゾムが他の人と仲良うなるなんて珍しいな?」
コネシマ「そんなに良い人やったんか?」
ゾム「んー、、、なんか、気が合ってん。俺も何でかは分からんけど。」
チーノ「珍しいことも起こるもんやなぁ。」
不思議な事が起こって興味深そうに話している空間を破ったのはショッピの大声だった。
ショッピ「ゾムさん!早くしないとピザ無くなりますよ!」
その声にみんなははてなマーク。
でも、何が原因かはすぐに分かった。
ロボロがゾムの分のピザも食べようと手を伸ばしていたのだった。
ロボロ「言うなよぉ…せっかく食べれると思ったのに。」
渋々といった感じで手を引っ込めたロボロ。
相当お腹空いてたのかな?
それともいつもと同じでまた胃袋にブラックホールでもできた?
ゾム「ええで?そんな腹減ってんねんやったら食えや。俺は大丈夫やから。」
ロボロ「どないしたんや?普段はそんなこと言わんのに。」
エーミール「何かありましたか?」
ゾム「っ…。」
エミさんの問いに、ゾムは言葉を詰まらせる。
そして、ゆっくりとトン氏の方をみた。
ゾム「なあ、これ、話した方がええよな…。」
シャオロン「なに?隠し事でもしてたん?」
トントン「…分かった。せっかくやし言おか。」
トン氏がそう言うと、みんな黙って姿勢を正す。
何故、何も言わずとも姿勢を正したから分からない。
けれどきっと、大事なことなんだと表情や雰囲気から汲み取ったんだと思う。
トントン「まず前提のことな?俺ら、ある夢を見てん。」
エーミール「夢、ですか…?」
ゾム「おん…。昔、○○と一緒に遊んだりした時の夢やった。」
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