テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
仁人side
彩香「勇斗ー?あーけて♡」
勇斗「なんの用だよ…」
彩香「ちょっとねー♪」
勇斗「はぁー…」
嫌々だったものの佐野さんは
オートロックを開いた。
仁人「彩香って…」
勇斗「あっ…!ち、違うから!
今は仁人の事好きだから!!」
その反応で全てがわかった。
多分、佐野さんの元カノなんだろう。
仁人「・・・いや別に俺はいいですけど。
ただのハウスキーパーなので」
自分で言っていて意味のわからない言動だ。
分かりやすく悪態をついてしまっている…
まるで俺が嫉妬してるみたいじゃないか。
ないない。そんなわけない。
仁人「”ハウスキーパー”として
仕事をしているのでお気になさらず」
勇斗「仁人…」
後ろから寂しそうな声が聞こえたが
知らないふりをして掃除道具を取りに行った。
*ピーンポーン*
勇斗「あっ…う、」
こっちと玄関を右往左往していたが
佐野さんは迷ったあげく玄関を開けに行った。
俺は少し、こっちに来てくれるかもしれないと
期待していたが。
俺って本当にめんどくさいな。
彩香「久しぶり〜」
勇斗「・・・なんの用だよ」
彩香「えー?元カレに会いに来ちゃダメなの笑」
勇斗「お前の場合、
理由も無しに来るわけじゃないだろ」
彩香「ひっどー!!!
勇斗そんな性格だったっけ笑」
勇斗「ヘラヘラしてんなよ…」
佐野さんは元カノさんの
態度に分かりやすくイライラしている。
これまでにも同じようなことが
何度もあったのだろうか?
彩香「あーそうだそうだ用事あったんだ。
置いていったアクセとか化粧品取りに来たの」
勇斗「さっさと取って帰ってくれ」
彩香「そんなに嫌なら開けなきゃいいのに」
そう鼻で笑いながら元カノさんは
ズカズカと部屋に入ってきた。
彩香「へぇー今こんな感じなんだぁー。
私と付き合ってた頃とは違うね笑
ほかの女の趣味かなぁ??」
勇斗「・・・別にそんなんじゃねぇよ」
彩香「ふーん。まぁいいけど」
元カノさんは色々なものを鞄に詰めていく。
気まずいので、鉢合わせないようにしながら
俺は掃除していた。
仁人「痛っ!」
していたものの…掃除機のコードが
足に引っかかって転けてしまった。
かなり大声を出してしまったので
確実にバレてしまっただろう。
血の気が引いていくのを感じた。
彩香「ん?誰か居るの?」
勇斗「いや、別に」
彩香「ねぇ!誰かいるんでしょ!」
俺が居る部屋に元カノさんが入ってきた。
彩香「えっ、だ、誰よあんた」
仁人「あー…申し遅れました。
佐野勇斗さんのハウスキーパーを
させていただいています。
吉田仁人と申します。
決して、怪しいものでは…」
彩香「ハウスキーパー?」
元カノさんは見定めるような目で
俺の頭からつま先まで見る。
俺は足の痛さと緊張感で腰が抜けてしまい
ずっと立てずにいた。
いつ終わるのかとドキドキしていると、
数秒間の沈黙があった後
いきなり元カノさんが噴き出した。
彩香「ふっ、あはは!!!!!」
仁人「え、?」
勇斗「仁人!」
彩香「この人が勇斗のハウスキーパーねぇ?
冗談も程々にしてよぉ笑笑」
仁人「いや、冗談じゃ…」
彩香「こんなモブみたいな顔してるくせに
勇斗の近くに居るなんて不釣り合いなんだけど笑
なに?お金でも積んだ笑???」
・・・はぁ!?
何だこの女?金を積む?
んな事俺がするわけねぇだろうが!!!
冗談も程々にして欲しいのはこっちだわ!!!
・・・なんて心の中で思ってはいても、
実際に言えるわけが無いので
そっと心の中に閉ざしておいた。
彩香「ねぇ、なんとか言ったらどうなの?
この不細工ド陰キャ君笑笑」
何とか弁解しようと試みる。
仁人「あの、俺は!」
勇斗「おい」
佐野さんの一声で場が凍りつく。
いつもの明るい佐野さんは影も形もなく
目線は人をも殺せそうなぐらい鋭かった。
彩香「は、勇斗?どうしたの急に?」
流石に元カノさんも動揺しているみたいだ。
勇斗「さっきから黙って聞いてれば、
仁人の事なんも知らないくせに
適当なことばっかり言いやがって。
お前何様のつもり?」
仁人「・・・」
彩香「なによ、なんでそんな怒ってんのよ!!
ちょっといじっただけじゃん!!」
佐野さんは呆れたように溜息をつき
俺の近くまで歩いてくる。
俺の横にしゃがんだ瞬間、
いきなり抱きしめられた。
仁人「は、はうえ!?!」
彩香「なっど、どういうことよ!!」
勇斗「お前、まだ俺のことが好きで
ほかの女の子と付き合う度
ずっといじめに来てたの知ってたから。
俺は全然お前のこと
好きじゃねぇから安心しろよな」
彩香「はぁ!?そんなことしてないし!!」
勇斗「あと仁人は不細工でも、陰キャでもない。
俺にアイドル続けさせてくれた恩人。
俺の…初恋の人。
・・・だから、馬鹿にするのなんて許さねぇ」
仁人「さ、佐野さん…」
起きたことのインパクトが強すぎて
なんの情報も入ってこない。
ただ、目の前の人は王子様みたいにかっこいい。
彩香「なんなのよなんなのよ!!!
揃いも揃って気持ち悪い!!
私の事バカにして!!!
あんた達なんか死んじゃえばいいのよ!!!」
勇斗「別に周りになんと言われようと、
俺は吉田仁人が好きだ。
他の誰かじゃない、”仁人”が好きなんだ。」
彩香「くっ…」
元カノさんは玄関を勢いよく開けて出ていった。
残された2人は不思議と気まずくはなかった。
𝐞𝐧𝐝☕︎︎𓂃 𓅇
コメント
2件
さすがに最の高
ゆ。
165