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深夜のキッチン、不器用な甘雨(あまやどり)
外はあいにくの雨。
日付が変わる頃、渡辺翔太のマンションのインターホンが鳴った。
モニターを覗かなくても、この時間に連絡なしで来る奴は一人しかいない。
「……はいはい、開いてるよ」
ガチャリとドアが開くと、そこには少し濡れた髪を無造作にかき上げた目黒蓮が立っていた。
「悪い、しょっぴー。どうしても顔見たくなって」
そう言って、大きな体を小さく丸めるようにして玄関に入ってくる。
「お前さ、明日も朝早いんだろ? 早く寝ろよ」
口ではそう言いながらも、渡辺はすでに脱衣所から清潔なタオルを持ってきていた。
「ほら、拭け。風邪引いたら仕事に響くぞ」
「ありがと。……しょっぴー、いい匂いする」
タオル越しに目黒の声がこもって聞こえる。目黒はタオルの上から渡辺の手をそっと掴み、自分の頭を引き寄せた。
自分より背が高いはずの目黒が、今はなんだか捨てられた大型犬のように見えて、
渡辺は
「……しょうがねぇな」と、乱暴に、でも優しくその頭を撫で回した。
リビングに移動し、目黒をソファに座らせる。
渡辺がキッチンで温かいココアを淹れていると、後ろから温かい塊が覆いかぶさってきた。
「……ちょ、蓮。危ねぇだろ」
「しょっぴー、落ち着く」
目黒の長い腕が渡辺の細い腰に回り、ぎゅっと引き寄せられる。
バックハグの形になり、渡辺のうなじに目黒の規則正しい吐息がかかる。
普段、テレビの前では
「目黒、近いよ!」なんて照れ隠しで突き放すこともある渡辺だが、二人きりの部屋ではその温もりを拒むことができない。
「最近、忙しかったもんな」
「……うん。でも、こうしてしょっぴーに触れてると、全部リセットされる気がする」
目黒の鼻先が、渡辺の首筋をくすぐる。
「……ん、くすぐったいって。……おい、寝るなよ?」
渡辺が振り返ると、目黒は潤んだ瞳でじっと自分を見つめていた。
その瞳には、熱っぽいほどの執着と、心からの信頼が混ざり合っている。
「……しょっぴー、俺のこと、好き?」
不意に投げかけられた、あまりに直球な言葉。
目黒はいつもそうだ。
真っ直ぐすぎて、こっちが恥ずかしくなるようなことを平気で口にする。
「……うるせぇ。嫌いなら家に入れねーよ」
顔を真っ赤にしながら、渡辺は手元のマグカップを置いた。
そして、自分を抱きしめる目黒の腕を解き、向き合うようにしてその大きな背中に手を回す。
「……おやすみ、蓮。今日はもう、ここで寝ていいから」
そう囁くと、目黒は満足そうに目を細め、渡辺の肩に顔を埋めた。
外の雨音を遮るように、静かな部屋に二人の鼓動だけが重なっていく。
ツンとした態度を崩せない渡辺と、それを知り尽くして甘える目黒。二人の夜は、まだ始まったばかりだった。
🔞ないのが何個か出てくるかもですが許してくださいm(_ _)m
コメント
2件
めめなべだーー! めっちゃ最高です👍 次のペア楽しみです🎶
まきぴよ