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愛 し き 我 が 子 .
物心ついた頃から
妖怪は悪だと何度も聞かされた
耳にタコができるほど
mb「流石…葉臼家の跡継ぎだけあって凄いな…w」
mb「それも弾斗様はご兄弟の中でもその実力は本物!コソッ…」
pkt「……」
周りの人間が真っ先に見るのは
俺ではない
家柄であり、力なのだ
あぁ
知っているさ
恵まれているのだろう
この苦しい生活も
退屈な1日も
広く感じる屋敷も
味のしない3食も
全て全て…
ザーザー!
mb「フッー!フッー!」
鋭い猫のような瞳
大きな角を2つも持ってる
今にも俺の喉を噛みちぎりそうだ
pkt「……君達鬼は人間を食わなくても生きていけるはずでしょ?」
pkt「どうして食べるの?」
pkt「どうして殺すの?ジトッ…」
mb「ッ!!」
mb「ギリッ…!」
先程よりも鋭く
熱さが増していくのが分かる
mb「お前たちは本当に愚かだなぁ”ッ!!」
mb「我々がお前達を食い殺す理由だとッ?!」
mb「そんなものぉッッッ!!!」
泣いて喚く
それは俺の聞いたことのある鬼ではなかった
まるで人間のように
威嚇する瞳に反し
膝は酷いくらいに笑っていた
pkt「……そう、それはこっちも一緒だよ…」
pkt「その憎しみが原動力となり人を動かす」
mb「お前達がぁ”!先に我々妖怪に手を出しておきながらッ!」
mb「いつもお前達はッ!自分たちが被害者だというッッ!」
mb「だが違うッッ!被害者はこちらだッッ!ポタポタッ…」
mb「なのにッッ…なのにッ!バッ!」
mb「返せッ…返せよぉ”おおぉお”ッ!」
pkt「…《天照大神の天命》」
声も出す間もなく
鬼は灰となって消えていった
ただ最後に
こちらを指さしたまま
遠い何処かに消えていった
mb「”“…ッ~~!……ポタッ…”“」
pkt「俺って…人の心なくなっちゃったのかな…」
そもそも人なのだろうか
自分が分からない
人間じゃない
殺戮のからくり人形ならば
こんなにしんどくないのに
pkt「はッ…はッ…!」
そう思っていた
でも本当は
荊棘「……ジトッ…」
死ぬのが怖い
どれだけ辛かろうと
まだ俺は1本の細い糸を握っていたい
そう思わせてくれた
荊棘「さてはて…愚かな祓い屋の人間…ザッ…」
彼女こそが神様
彼女こそが仏様
そして
荊棘「妾の血肉になることを心から喜べニコ」
pkt「……ぁ”ッ…あはッ…!//」
pkt「神様ってこんな姿をしてたんだッ…!w//」
恋心などではない
そんなもの一緒にされては困る
美しい物で
手に入らない
だからこそいいんだ
昔から
手の届かないと思ってたものが
今届くのだと確信できた
これが世に言う
生き甲斐という物だろう
荊棘「スッ…」
ズバッ!
荊棘「希霧!お主また森の物を拾い食いしたと聞いたぞ!」
zm「だってお腹すいてたし~…飯まで間に合わんかっただけやもん…ムス…」
拾ってから早14年
小さかった手や足も
子供とは
知らぬうちに大きくなる
それは嬉しくもあるが
少し寂しくも思う
荊棘「森の実は毒もあるからまずは妾に聞けと言うたじゃろう!」
荊棘「この馬鹿者!コツンッ!」
zm「かあちゃん痛いわッ!」
荊棘「お主が言うこと聞かんのが悪いんじゃろ~?wグリグリッ…!」
zm「いやぁッ~!」
tm「はいはい…w荊棘様、もうすぐお勤めのお時間ですよニコ」
荊棘「おや、もうそんな時間か?」
荊棘「寂しいのぅ~…妾は希霧の話を沢山聞きたいのじゃがの~…ギュッ~…」
zm「かあちゃんッ!ともさん困ってるからッ!」
tm「希霧くんっ…!立派に育ったね…!泣」
荊棘「な~んじゃ、冷たいのぅ~…スタスタ…」
zm「……か、かあちゃん!」
荊棘「?どうし((((ギュッ!」
荊棘「……希霧…?」
zm「ちゃんと…帰ってくるやんな…?」
zm「また…危ないお勤めに行くんやろッ…」
zm「俺ッ…かあちゃんが傷ついて帰ってきた時ッ…ガタカタッ…」
荊棘「ギュッ…」
zm「かあちゃん…?」
荊棘「……安心せよ…チュ…」
荊棘「お前の母は…妾は…」
荊棘「戸を開けた時にいる…」
zm「でもそれでッ!」
荊棘「…ポスッ……」
先程とは別の
優しく
温かい手が頭に触れていた
荊棘「では…行って参るなニコ」
荊棘「…お利口に待っておくんじゃぞ?w」
tm「……」
zm「……あッ…」
かあちゃんは不思議な人
俺にはない
かっこいい爪と角
それから笑うと見える尖った歯
尚更のこと
見た目は全く違う
きっと血は繋がっていない
でも
それでも
荊棘「希霧!w」
俺のかあちゃんは
他の誰よりも強くて
怒るとすっごく怖くて
でも優しくて
周りと違うくても
見た目なんか関係なく
俺を大好きだって言う
だから決めた
例え誰かが母ちゃんを悪く言おうと
母ちゃんが世界の悪者になっちゃっても
zm「…いってらっしゃいッ!かあちゃんッ!」
tm「!!」
荊棘「ニッ!」
荊棘「あぁ!///w」
「 母 の 問 い 掛 け .」
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