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「鈴ちゃん!こっちこっち!」
「待って柚彦君浴衣だから、そんなに速く走れないわ」
私たちは手をつなぎ、川の土手を笑いながら人込みの流れと反対方向に進んだ
そして小さな神社を通り過ぎて、高台に登るとそこは人もまばらだった
「ここは穴場なんだよ」
「そうなの?」
「ほら!もうすぐ花火が上がるよ」
そう彼が言うのと同時に、轟音と共に、夜空に光る大輪の花が咲いた
あまりにも大きくて、まるで自分たちに降ってくるようだった
「わぁ~!すごいわ!」
「鈴ちゃんに見せたかったんだ」
柚彦君は背後から私を抱きしめて、二人は光る夜空をしばらく無言で見上げた
「来年も・・・一緒に見れたらいいなぁ・・・」
思わずボソリと呟いた
「絶対見れるよ、来年と言わずこの先ずっと・・・」
クスクス「お互い齢をとってしわくちゃになっても、僕が連れてきてあげる 」
私は幸せな気持ちで、そう言う彼の温かい体にもたれ花火を楽しんだ