テラーノベル
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サァ―――――――――⋯⋯
雨が降っている。
しとしとと降り止まぬ愁雨の中でも、街は暮らしを営んでいる。
軒先を叩く雨音。
水溜まりを踏む足音。
遠くで鳴る呼び込みの声。
灰色の空の下。
「……寒」
肩をすくめる。
濡れたパーカーが気持ち悪い。
傘を忘れたことを後悔しながら、独り人気の少ない路地を歩く。
その時だった。
「――ねえ、そこの君」
淡々とした声。
振り返ると、
そこにいたのは『四神』だった。
四神。
この国を治める四人の統率者。
かつてこの国を創り、守ってきた。
いわゆる、生きた神々。
俺でも名前くらいは知っていた。
ひとりは、短い黒髪の男『東神ノ紫竜』”コンタミ”。
鋭い目をしていて、口元の笑みが絶えない。
ひとりは、明るい茶髪の男『西神ノ金虎』”ばどきょー”。
どこか獣のような雰囲気を纏っている。
ひとりは、少し長い赤髪の男『南神ノ朱雀』”レウクラウド”。
燃えるような瞳は、優しげだが冷酷にも見える。
そして最後のひとりは、
ダークブラウンの髪をした静かな眼差しの男『北神ノ翠武』”みどりいろ”だった。
初めてこの目で見る彼らは、全員、異様だった。
存在のすべてが、雨の街から浮いている。
まるで、
別の世界から来たみたいに。
「……何でしょうか」
警戒しながら距離を取る。
黒髪の男――コンタミが、じっとこちらを見る。
「ひとつ聞いて良いかな」
「はぁ」
雨音が強くなる。
コンタミは静かに口を開いた。
「⋯“蒼い狼”って、知ってる?」
知らない。
そう答えようとして、――何故か、一瞬だけ。
何処かでそれを知っている気がした。
「……⋯いや、知らないです、けど」
そう答えると、四人は顔を見合わせる。
赤髪の男――レウクラウドが小さく溜息を吐いた。
「また外れかぁ」
「焦るな」
茶髪の男――ばどきょーが短く返す。
その横で、ダークブラウンの髪の男――みどりいろがぽつりと呟いた。
「……ケド、“匂い”ハスル」
その片言の呟きに、ぞわり、と背筋が粟立つ。
雨が冷たい。
何故か、今すぐここから離れた方が良い気がした。
コンタミが目を細める。
「もし思い出したら教えてね」
「俺たちは、“英雄”を探しているんだ」
雨が降る。
灰色の街に、音だけが広がっていった。
NEXT=♡1000
#実況者イラスト
こにゃ
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