最終的に🇬🇧→→→→🇯🇵くらいの重い愛になる予定です。
長編の小説を書くのが苦手な人間なのですが逃げ続けていては何も生まないということでついに手を出してしまいました。
暖かい目で見ていって頂けると嬉しいです…
🇺🇸→←🇯🇵←🇬🇧の地獄みたいな構図から始まります。
***
───あなたはいつもそうですね。
🇯🇵「アメリカさん」
その名前があなたの口から出る度に、私の心の中の暗い感情が疼くのだ。あなたがいつもアメリカの事を頼る。分かっている、分かりきっていることだ。
あなたがアメリカに想いを寄せていること。彼と接している時の微笑み方がまるで違うから。
そしてその度に嫉妬という感情が自身の体内を暴れ回る。
私もまた、彼のことが好きなのだから。
***
🇯🇵「う゛…」
睡眠不足からかこめかみ辺りが痛む。ずきずきと刺すような痛みだ。
いつもより酷い。
デスクの上のエナジードリンクを一気に飲み干す。
正直これがないとやっていけないのである。もう中毒かもしれない。
🇺🇸「エナドリは程々にしとけよ」
🇯🇵「アメリカさん……」
🇺🇸「…それ、お前の仕事じゃないだろ」
私のデスクを覗き込んで言った。
🇯🇵「え?あー…同僚に頼まれたもので」
🇺🇸「ちゃんと断れっていつも言ってるだろーが。もっと自分のこと大切にしろ」
と彼は私の頭を撫でた。
彼はそこそこボディタッチの多い人間である。そんな端正な顔で頻繁にされては私の心は落ち着いていられない。
🇯🇵「…うぅ゛〜」
🇺🇸「頑張りすぎなんだよ。ほら休め休め」
そうやって缶コーヒーを投げ渡された。この人と話している時だけは嫌なこと全部忘れてしまえる。
自分にとってそばにいて心が落ち着く人とはアメリカさんのことだ。
🇯🇵「……ありがとう、ございます」
今だけは、本当に。
🇺🇸「…大丈夫か?」
🇯🇵「へ?」
🇺🇸「眠れてないんだろ?なんかあったのか」
真剣な顔でそう聞かれると私は目を逸らしたくなってしまう。でも、彼は私の事を見てくれているんだと思うと少し嬉しくて安心できた。
***
先程居たフロアの1階下にある休憩スペースで、2人だけで話している。
🇺🇸「マジかそれ。ストーカーだろ」
🇯🇵「きっと私の気の所為です。大丈夫ですから」
私が最近眠れていない理由はこれだった。ふとした時に感じる視線と人の気配、自宅に帰ってから感じる部屋の違和感。
気の所為だと思おうとすればするほど恐怖が脳を支配する。
🇺🇸「普通にヤバいだろ。帰る時とか大丈夫なのか?」
🇯🇵「…ぁ、…まあ、それは」
本当はどうしようもなく怖い。
🇺🇸「今日、家来るか?」
🇯🇵「え、?!いやいや…アメリカさん明日会議あるでしょう?邪魔したら悪いですよ」
***
そう言って日本は薄く笑った。
いつもより隈が目立つ。明日会議があるのは事実だし、それもまあ重要なやつなのに変わりはない。
🇺🇸「…でもなあ」
🇯🇵「大丈夫ですって」
🇺🇸「うー…じゃあまた心配な事があったら言ってくれな。いつでも聞くから」
🇯🇵「あはは、優しいですね」
今思えば、どうしてこの時もっと引き止めなかったのだろう。もっと深く話を聞いていれば或いは気づけたのかもしれないのに───
***
どす黒い感情が溢れていく。もうとっくに限界だった。彼と話す時の表情も、彼の事を話している時だって。あなたはずっと幸せそうだ。私はそんな顔、そんな笑みを向けられたことなどない。
嫉妬。
最初はそれだけだった。
あなたが彼と2人きりで話している所を見かけました。あなたが頼るのはいつだって彼。 どうして私じゃないのか。 私はあなたを、彼のことをこんなにも見ているのに。想っているのに。
その嫉妬を消化しきれないまま何度も反芻するうちに、こんなにも取り返しのつかない心情になっていた。
伝わらないのなら、無理矢理にでも解って貰うしかない。
───ねえそうでしょう?あなたが悪いんです。
私を狂わせるほど、こんなにもあなたを好きにさせたのは紛れもなくあなたなんですから───日本さん。
***
コメント
1件
最初から読んでも最高っす