テラーノベル
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「夜中に鏡を見ると、幽霊が映るんだって」
クラスの子が、そんな話をしていた。
「えー、怖」
「しかも自分の後ろに立つらしいよ」
みんなは笑っていた。
もちろん、私も。
「そんなの嘘でしょ」
そう言いながら。
その夜。
私はふと思い出した。
時計を見ると、深夜の1時。
部屋は静かで、家族もみんな寝ている。
私は洗面所に行った。
ふと、鏡を見る。
……普通だ。
当たり前だけど。
そこには、眠そうな自分の顔が映っているだけ。
「ほらね」
私は少し笑った。
やっぱりただの噂だ。
そのとき。
後ろの廊下が、少しだけ暗く見えた。
気のせいかな。
私はもう一度、鏡を見る。
……あれ?
さっきと、少し違う気がする。
鏡の中の廊下。
奥の方が、なんだか黒い。
私は振り返った。
でも。
実際の廊下には、何もない。
「……気のせいか」
私はもう一度、鏡を見る。
その瞬間。
鏡の奥に――
誰かが立っていた。
真っ黒な影みたいな人。
私は慌てて振り返る。
でも。
やっぱり誰もいない。
心臓がバクバクする。
もう一度、ゆっくり鏡を見る。
そこには__
私のすぐ後ろに立つ、誰かの姿。
でも。
鏡の中の“私”は。
気づいていないみたいに、
まっすぐ前を見ていた。
そして。
鏡の中のその人は、
ゆっくり私の肩に手を置いた。
私は凍りついた。
でも。
鏡の中の“私”は。
にこっと笑って、こう言った。
「やっと気づいたね」
だから私は_
夜中に鏡を見ちゃいけない。
コメント
3件
やばい…こわ、寝る前なのに…w