テラーノベル
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■読まれる前の注意書き
・本作は「カントリーヒューマンズ(CountryHumans)」の二次創作(ファンフィクション)です。
・実際の歴史、国家、政治団体、宗教、および実在の人物とは一切関係ありません。
・かつて対立していた国々が、現代風の平和な世界線でひとつ屋根の下、あるいはご近所さんとして仲良く「ほのぼのとした日常」を送っているパラレルワールドを舞台にしています。
・キャラクターの口調や性格に独自の解釈(マイルド化)が含まれます。
・以上の点をご理解いただける方のみ、お進みください。
■第21話
題名:市場の攻防戦、あるいは個性爆発のお土産大騒動
ジャンル:日常・お買い物ほのぼの
温泉旅館での至福のひとときを過ごしたあくる朝。チェックアウトを済ませた4人は、駅前にある活気溢れる大きな「お土産市場」へと立ち寄っていた。
木造の広いお土産処には、地元の銘菓や伝統工芸品、新鮮な山の幸がずらりと並び、観光客の熱気で満ちている。
「うわあぁ! 見て見て、日帝! 凄く大きい木彫りの熊があるよ! 鮭をくわえてる!」
イタ王は入り口に置かれた巨大な置物に目を輝かせ、さっそくその頭を撫でてはしゃいでいた。
「イタ王、我々は観光に来たのであって、無秩序に荷物を増やすために来たのではない。お土産とは『予算』『重量』『必要性』の三つのバランスを考慮し、厳格に選定すべきものだ」
ナチはすでに財布の中身と、帰りの電車の荷物棚の容積を頭の中で計算し終えているらしく、真面目な顔で腕を組んだ。
「堅いことを言うな、ナチ。旅の思い出は直感で買うものだ。ほら、この特大の『激辛唐辛子漬け』など、我が国のピロシキの具材に最高だと思わんか?」
ソ連が手にしたのは、見るからに真っ赤で不穏な一升瓶サイズの瓶詰めだった。
「ソ連殿、それを持ち帰るとなると、かなりの重量になりますよ。……ふふ、皆さん、お土産選びの時間は一時間ありますから、まずは自由に見て回りましょう」
割烹着を脱いで私服姿の日帝が優しく微笑むと、三人はそれぞれの「お土産ハント」へと散っていった。
三十分後。お土産市場の中央にある休憩スペースで、日帝が温かいお茶を飲みながら待っていると、三人がそれぞれの戦利品を抱えて戻ってきた。
その内容を見た日帝は、思わずパチパチと瞬きをした。三人の個性が、あまりにも露骨に形になっていたからだ。
「日帝、見て! 僕はこれにしたよ!」
イタ王が誇らしげに掲げたのは、地元の伝統的な職人が作ったという、カラフルな手書きの「起き上がり小法師(こぼし)」だった。
「何度も転んでも起き上がるんだって! すっごく可愛いでしょ? 屋敷の玄関にみんなで並べて飾りたいな!」
「ええ、とても可愛らしいですね。イタ王殿の優しい性格が表れています」
日帝が微笑む。
続いて、ナチが非常に満足げな顔で、綺麗に包装された箱をテーブルに置いた。
「私はこれだ。この地域の特産である『銘菓・くるみ餅』。糖分、脂質、そして保存性の観点から見ても、茶請けとしてのコストパフォーマンスが極めて高い。さらに、箱の寸法が我が家のリビングの棚にミリ単位で収まるようになっている」
「相変わらず味気ない基準だな、ナチ」
ソ連がフンと鼻を鳴らし、自分の紙袋をドサリと置いた。
「土産とは、その土地の『力(パワー)』を感じるものであるべきだ。だから私はこれを選んだ」
ソ連が袋から取り出したのは、地元の銘酒『冬将軍』という一升瓶と、なぜか先ほどイタ王が見ていたものより一回り小さい「本物の木彫りの熊の置物」だった。
「……ソ連、貴様、結局それを買ったのか。どれだけ荷物を重くすれば気が済むんだ」
ナチが頭を抱える。
「ガハハ! いいではないか。この熊の鋭い眼光、我が連邦の書斎の守り神にぴったりだ」
三人があきれたり笑ったりしている中、ソ連が「そういえば日帝、お前は何を買ったんだ?」と尋ねた。
「私ですか? 私は皆さんのおやつ用に、地元の新鮮なイチゴを。それから……」
日帝がそっと取り出したのは、三つの小さなキーホルダーだった。地元の温泉マークと、桜のマークが可愛らしくあしらわれている。
「いつもお世話になっている皆さんに、お揃いの旅の記念です」
その瞬間、三人の動きがピタリと止まった。
「……お、俺たちの分もあるの?」
イタ王が目を丸くする。
「日帝、このような非効率的な出費を……しかし、デザインの視認性は悪くないな」
ナチはそっぽを向きながらも、素早くキーホルダーを受け取り、自分のスマホケースにカチリと装着した。
「うむ……。日帝、お前というやつは本当に気が利くな。この冬将軍は、今夜お前と半分ずつ飲むことにしよう」
ソ連も嬉しそうに目を細め、キーホルダーを大きな手のひらで大切そうに握りしめた。
帰りの電車の中。
ガタゴトと揺れる車内、イタ王は起き上がり小法師を撫でながらうとうとし始め、ソ連は木彫りの熊を膝に乗せて車窓の雪景色を眺めている。ナチは、カバンにつけたばかりのキーホルダーを時折指先で確認しながら、静かに読書をしていた。
カバンの中には、それぞれの不器用な思い出と、お揃いの小さなお土産。
かつては領土や境界線を争った彼らが、今は一つのカバンを分け合うようにして、温かい我が家へと帰っていく。
4人の終わらない日常は、お土産の入った紙袋の柔らかな音と共に、これからもずっと続いていくのだった。
コメント
9件
日帝さんが圧倒的お母さん感が……イタ王は相変わらず無邪気で可愛い、旅行してるのかぁ……いいね!ナチさんは相変わらずのご様子……笑 語彙力がすごすぎる、

全員の個性が出てて面白かったよ~! 続きも楽しみに待ってるね
あら可愛らしい。 かなめさんの文章好きですわぁ〜
どこにでもいるただの珍味好き
177
鴨之助
259
#政治的意図・戦争賛美✖
りむ大帝国@loveUK!!
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