真夏の夜。
自分は今、とある人のベッドに横たわっている。
もちろん如何わしい理由はではない。
私の部屋でもない、自分の部屋なのにこんこんと礼儀正しく二回ノックをし、部屋に入ってくる。
「やぁブラック君、調子はどうだい?」
「別に何ともないですが…」
この人はすまない先生だ。
自分のことを助け出してくれた命の恩人だ。
自分のこの人の過去も何も知らない。
本名を聞いても本当の名前は教えられないと返されてしまった。
「これ食べるかい?」
「…何ですかこれは?」
目の前には白くとても柔らかそうな果物があった。
「マンゴスチンって言うんだけどね、繊細な甘みに爽やかな酸味が上品な味を出してるんだよね。」
「君の口にあったらいいなと思って」
そう言い、自分にフォークを差し出してくる手はとても優しそうな温もりを帯びていた。
フォークを取り、一つ口に運ぶ。
美味い、自分にとてもあった味だ。
そういえば一つ気になっていたことがあることを忘れていた。
「すまない先生、何故貴方は私を助けたのですか?」
「君には期待できそうだったから…かな」
自分は誰かに救われたかった、見捨てられたくなかった、認められたかった。
こんな汚れた自分でもまだ助かりたいという欲望がこの人に伝わったのだろう。
それを考えた瞬間、涙が零れた。
「あー、眠いなぁ」
こちらを見ずに、ベッドに転がるすまない先生を見てこっそり涙を拭った。
「ブラック君も早く歯を磨いて寝るよ」
「そうだ!君が良いって言うなら明日校長先生に話しと話してすまないスクールに入ろうよ!」
「貴方に着いていけるのなら私は別に何でもいいですよ。」
「ならそれで決まりね!」
オワリ
コメント
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この話いつかしたいな〜すまない先生と
何だ、この話は、、、_:(´ཀ`」 ∠): すまない先生とブラックがこんな感じで出会ってたら嬉しいなぁ✨ 素敵な物語をありがとう!!心が浄化されていく〜