カッと雷鳴のように空がまたたいたと思うと、轟音と衝撃があたしのいる塔を揺るがして、音のした方向から真っ赤な炎がふきだしているのが目に入った。
――海春たちが、来たんだ……!
夜の領主館は悲鳴と怒号で混乱をきわめているのに、部屋の窓際にひとりたたずんだあたしは、期待感と高揚感で高鳴る胸をそのままに、遠くの建物で燃えさかる炎をその目に映して瞳を赤くきらめかせていた。
もうすぐ、海春があたしを迎えにきてくれる。
そうしたら、このあいだのことを謝って、仲直りをして――……。
それで、一緒に元の世界に帰って、いままでみたいに……ううん、いままで以上にふたりで仲良くしていけたらと思う。
――あたしには、海春しかいない。
海春にとっての一番も、きっと、あたしだよね……?
「――利緒!」
ばん、と音が鳴るくらい勢いよく部屋の扉が開けられて、あたしが弾かれたように振り返ると、そこには、塔の*****************
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