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ドンッ!!
「なっ!?神羅…!!」
須崎の顔が青ざめる。
「知ってるぞぉ…そいつ、賞金首だろ
こっちの社会で噂になってる。」
「ゴブッ…」
神羅は倒れ、大量の血を吐く。
「てめえ!!!」
一刻も早く神羅の治療をしたいが
こいつがいる限り無理そうだ。
「いい、そこまで死にたいなら
俺が協力してやる。」
「お前みたいな雑魚にできるか!!」
そこで、吉田はある違和感に気づいた。
(ん?待て、今俺は慈鎌を持ってた
のに、なんでこいつらは技を使用
できたんだ…?)
その一瞬の疑問の思考が、この勝負の
勝敗を分けた。
「俺相手に余所見か?」
須崎は、最大の気を懐から出した
刀に込める。
「死んでから地獄で詫びとけ、クズ」
ドスッッ!!
須崎は吉田の喉から、頭の頂点へ
刀を突いた。
「ぁ」
ザシュッ…
そして刀を乱暴に振り抜き、死体を
蹴り飛ばす。
「神羅、生きてるか?」
「…」
反応がない。
「…クソ…」
俺は神羅の元へ向かう。
須崎の目に映ったのは、横向きになり
苦しんでいる神羅だった。
「痛….い….苦し」
「ん」
震えた声で嘆く神羅の口を
須崎は塞いだ。
「もう何も言うな、傷の治りが
遅くなる。心配するとはない、
お前の核は復興し始め、効果が
出てる。」
神羅は頷く。
(…普通はもう死んでる、心臓
撃ち抜かれても生きてるってことは
能力が復活してきてる証拠か。)
「おい!こっちだ」
入口から声が聞こえる。きっと
援護に来た奴らだろう。
「…行くぞ、神羅」
「ぅ….ん」
須崎は神羅をおぶり、逃走した。
病院にて…
「…どうでした」
俺は手術室から出てきた医師に
声をかける。
「ギリギリですね、銃弾の撤去、
治療を行いましたが、どうやら
銃弾が能力を制限するもののようで、
その影響で今、危篤状態に陥って
います、ですが安心してください。
このまま上手く行けば神羅さんは
生きられますよ。」
「…そうですか、ありがとうございます。」
「いえ、お大事に」
その後、俺は無心のまま事務所に
帰った。
「なんか…違ぇ」
その日の事務所の雰囲気は違う
何か寂しい。
「嗚呼、あいつか…あいつがいないのか」
俺はペットが亡くなったような
喪失感を胸に抱いた。
それから1週間が経った頃だ。
ドンッ!!
事務所のドアが吹き飛ばされた
「んぁ!?何もんだ!!」
須崎は刀を構える。
ザァァ…
「っ!!」
そこに居たのは、以前とは全く
違う雰囲気を纏った神羅だった。
「久しぶり!ハグしてもいいよ。」
「しねぇよ、てか、随分変わったな。」
「ふふーん、看護師さんに色々
教わったんだ…」
入院中…
「あー、暇だなぁ。」
「暇なら、私と話そ?」
「うわぁ!」
ベットに横たわる神羅の
横から、1人の看護師が話しかけた。
「え…誰君。」
「私、雪美って言いまーす、貴方
今暇なんでしょ?」
「まぁ…することないよ。」
「最近悩んでることとかない?」
「うーん…ひとつあるとすれば」
神羅は悩む顔をする。
「友達が冷たいこと…とか」
「なぁるほど?お友達は男?」
「うん」
「むふふ、なるほどなるほど…」
「?」
「それなら、可愛くなればいいのよ!」
「可愛…く?」
「そう!貴方、素材は最高よ…あとは」
雪美の視線が顔から前髪へと移る。
「髪ね、あなたの顔ならショートのが
似合うわね…」
「ショート?」
「短い髪形のことよ!知らないの?」
「僕あんま教育受けてないから…」
「とりあえず、退院したら美容室に
行って、ショートで切ってもらい
なさい!きっと化けるわよ。」
興奮する雪美の顔が少し曇る。
「待って、今あなた何歳?」
「え…多分15歳かな?」
「うんうん…」
「それなら、その男の子にハグすると
いいわ、きっとあなたのことが好きで
好きで堪らなくなるわ!」
「それ本当!ご飯いっぱい食べれる?」
「ご、ご飯いっぱい食べれるかどう
かは分からないけど、きっと結果が
待ってるわ。」
「あんたいい人だね!」
「女は愛嬌よ…男にか弱く頼るの。」
「あいつかァ…」
須崎は深いため息をついた。
「とりあえず、抱いて。」
「お前意味わかってないだろ。」
「うん、ただ抱くだけでしょ?」
「…俺はお前を普通に高校に通わせて、
普通に恋愛させて、いい人生を送ら
そうとしてんだ。だからよ、こういう
ことはあんまして欲しくねーの。」
「ったく、抱くのはダメだ!たしかに俺
まだ19歳だけど、まだそういう年齢
じゃねぇよ。」
「てか、髪切った?」
「気づくの遅っ!!」