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テラーノベル(Teller Novel)
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それは僕の思ってた真実なんかじゃなかった。女性は笑顔で亡くなったらしい。男性は結局自殺して亡くなっているらしい。そんな話誰も知らない。その新聞にはVCR法はこの事件を聞いた恋人たちが、お菓子の意味なんかで人を殺す人がいるなら自分も、と考えて行動してしまったことで収拾がつかなくなり、法律として禁止された、と書いていた。こんなものは作り話だろうか。美談だろうか。僕はこの新聞を他の古い本よりも先に廃棄した。なかったことにしよう。それがこの事件のためだ。深入りすべきじゃなかった。今年を乗り越えて僕たちは法律をなくして、それだけでよかった。だけど10年前の二人を思うと、忘れることなんてできなかった。


2030年2月14日金曜日


私は学校へ向かった。学校で授業をうけていつも通りの日々を過ごした。いつもと違うのは女子が浮かれていることくらいだろう。教室中甘い匂いが漂って、吐き気がした。甘いチョコの匂いに酔って目眩がした。だけど先週は2回も休んでしまったから出席だけでもしようと努力した。美術で移動教室だったから、一人で廊下を歩いた。相変わらず図書室は静かなようだ。通り過ぎて先週の数日間を思い出す。少し楽しかったけれどきっともう2度と繰り返さないだろう。明日を過ぎればきっともう由崎とすれ違うこともなくなる。考えることをやめよう。意味なんてないのだから。

何とか1日を乗り越えた。家にすぐに帰って、私は重たいまぶたを閉ざして眠ってしまった。


2030年2月15日土曜日

昨日夕方5時から眠りについたせいで、夜明け前に目が覚めた。まだ3時だった。悪夢のせいで目覚めが悪い。どうしようか。少し外の空気でも吸おうか、玄関の方に向かった。すりガラス越しにポストが少し開いてるのが見えた。

「何か入ってる。」

不振がってその何かを手に取ってまた家の中に入った。それは小さい直方体の箱で、真っ白な紙に包まれていた。銀色のリボンが少し輝いていてとても綺麗だった。包みから箱を出してみるとメッセージカードも入っているのを見つけた。そこには「Y.A」のイニシャルと「1日遅れ」と一言添えられていた。何となく誰かは見当がつく。由崎なんだろう。箱の中身は甘い匂いが詰まっていた。綺麗な花を象ったチョコレート。頭が痛くなる。由崎は知らないんだろうな。私が、チョコレートアレルギーだということ。








ごめんなさい10粒目と11粒目が逆になってます!見づらいと思いますごめんなさい!

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