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(帰郷千衣沙)「そろそろね……」
(帰郷千衣沙)「よし、行こう。」
(帰郷千衣沙)「……」
(ラウール)「千衣沙!どこにいるんだ!」
(目黒蓮)「ラウール!戻ってこい!」
(目黒蓮)「外には危ない!」
(ラウール)「でも、千衣沙が……!」
(目黒蓮)「千衣沙さんなら大丈夫だ!」
(目黒蓮)「まずは自分の身を守れ!」
(ラウール)「……うん!」
1ヶ月後
(ラウール)「……」
千衣沙がいなくなってから1ヶ月……
警察は千衣沙の捜索をしてたが見つからずに
打ち切りされた。
(ラウール)「千衣沙……どこに行ったんだよ」
千衣沙がいなくなってから俺は稽古にも身に入らない。頭にも入らない。ご飯も食べなくなった。顔にはやつれてるし、目はクマだし。毎日、千衣沙の安否を気にしている。
(ラウール)「こんなんじゃ、だめだな……」
(目黒蓮)「ラウール!」
(ラウール)「めめ」
(目黒蓮)「大丈夫か?」
(目黒蓮)「お前……」
(目黒蓮)「やつれてるぞ」
(目黒蓮)「目にも……最近、ご飯を食べてないらしいな。すぐ分かるぞ。」
(ラウール)「……」
(目黒蓮)「ラウール」
(目黒蓮)「千衣沙さんのことは分かるが」
(目黒蓮)「今は目の前に……」
(ラウール)「……俺は、ずっと千衣沙のそばにいたんだよ」
(ラウール)「生まれた時からずっと……」
(ラウール)「千衣沙は自分の話をしないんだ。」
(ラウール)「何を考えてるかは分からない」
(ラウール)「いっつも人の為に努力してる」
(ラウール)「何故そこまでやるのかは分からない。」
(ラウール)「……それでも、千衣沙は一所懸命に」
(ラウール)「涙にも見せずに努力してる……」
(ラウール)「あの子が流した涙は1度も見たことがない。」
(ラウール)「常に俺のそばにいて、いつも俺の心配して」
(ラウール)「俺の命を守るために一所懸命に戦い続けた。」
(ラウール)「どんなに報われなくても支えられることもなく」
(ラウール)「それでもあの子は戦って、傷つけられて」
(ラウール)「倒れて、立ち上がって」
(ラウール)「その姿、その魂、その人生はただ人のために」
(ラウール)「もし、あの子を支えられることがあるなら」
(ラウール)「とことん支えあげたい。」
(ラウール)「たとえ、自分の命を犠牲しても」
(目黒蓮)「……」
(ラウール)「あの子がいない世界なら生きていくことは」
(ラウール)「俺はできない。」
(目黒蓮)「……ラウール」
(目黒蓮)「……千衣沙さんは必ずどこかに生きている。」
(目黒蓮)「別の場所で無事にいると思うんだよ。」
(目黒蓮)「千衣沙さんがいないなんて信じたくないさ」
(目黒蓮)「だからこう信じてる。千衣沙さんは生きていると」
(ラウール)「……」
(目黒蓮)「こんなんじゃ、千衣沙さんも心配するよ」
(目黒蓮)「帰ってきたらさ、元気な姿で見せてあげよう」
(ラウール)「……そうだな、こんなんじゃだめだな」
(ラウール)「……めめ、ありがとう」
(ラウール)「おかげで頑張れるよ」
(目黒蓮)「ああ」
(ラウール)「……」
(宮舘涼太)「ラウール」
(宮舘涼太)「お茶」
(ラウール)「あ、ありがとうございます」
(宮舘涼太)「……」
(宮舘涼太)「千衣沙さんがいなくなってから1年……」
(ラウール)「……」
(宮舘涼太)「時が経つのが早いな」
(ラウール)「ええ、そうですね」
(宮舘涼太)「ラウール」
(宮舘涼太)「あの子がいない世界で生きていくことは」
(宮舘涼太)「おそらく、ラウールだけではなく俺も」
(宮舘涼太)「いや、千衣沙さんのことを慕っている人たちも」
(宮舘涼太)「千衣沙さんがいない世界で生きることは」
(宮舘涼太)「とても無理だ。」
(ラウール)「ああ、俺もです。」
(宮舘涼太)「……」
(宮舘涼太)「……あの子が守り人になってから10年。」
(宮舘涼太)「この10年の間にあの子は戦い続けた。」
(ラウール)「……小学2年生から芸能界に入った。」
(宮舘涼太)「ああ、入ってすぐにここの守り人を務めた。」
(宮舘涼太)「それはジャニーさんから頼まれたそうだよ。」
(ラウール)「え、ジャニーさんが?」
(宮舘涼太)「あの子の夢は、人を守ること。」
(宮舘涼太)「あの子の武術や剣術は普通の小学生よりも強かった。」
(宮舘涼太)「それをジャニーさんが知って、」
(宮舘涼太)「事務所に呼び出して、守り人になるように頼んだ。」
(宮舘涼太)「千衣沙さんはすぐに承知し活動を始めたそうだ。」
(ラウール)「そんなことが……」
(宮舘涼太)「当時は怪しい奴が沢山来てね。」
(宮舘涼太)「それを対応するのが大変だった。」
(ラウール)「聞いたよ、危なかったらしいよね。」
(宮舘涼太)「ああ、奴は事務所を恨みがあってね」
(宮舘涼太)「皆殺しをしようと計画を立てていたんだ。」
(宮舘涼太)「そこで千衣沙さんが現れて奴を」
(宮舘涼太)「目が止まらぬほどの速さで一瞬に倒した。」
(ラウール)「そんな話は千衣沙から聞いたことがない。」
(宮舘涼太)「……千衣沙さんは自分の話をしないんだ。」
(宮舘涼太)「詳しくはよく分からない。」
(ラウール)「……」
(宮舘涼太)「あの子には本音を吐いてる所を見たことがない」
(ラウール)「うん」
(宮舘涼太)「……」
(ラウール)「自分の心配せずに人の心配をしている。」
(ラウール)「昔もそうだった。」
(宮舘涼太)「……何年経っても変わらない」
(宮舘涼太)「人を守ることが千衣沙さんの役目。」
(宮舘涼太)「あの子は強き人間。弱き人間を守る。」
(ラウール)「千衣沙の口癖……」
(宮舘涼太)「……ああ」
(宮舘涼太)「あの日から千衣沙さんはいなくなった。」
(宮舘涼太)「妖怪らは千衣沙さんによって倒したが」
(宮舘涼太)「千衣沙さんの姿は忽然と消えてしまった。」
(ラウール)「あの時、絶望してた。」
(ラウール)「姿も形もなく……突然と……」
(宮舘涼太)「……」
(ラウール)「……」
(宮舘涼太)「ラウール」
(宮舘涼太)「あの子は必ずどこかで生きている。」
(ラウール)「……」
(宮舘涼太)「きっと、どこかで」
(ラウール)「……ああ……俺もだ。」
(ラウール)「千衣沙さんは俺達の前に現れるさ。」
(ラウール)「……そしたらさ、また笑い合いたい。」
(宮舘涼太)「その日が来るまで俺達も頑張ろう。」
(ラウール)「ああ」
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