「他には何買ったんだ?」
「え?これで全部ですよ。」
「…」
「…」
なんとも言えない沈黙がその場に広がる
「持ってきた荷物は?」
「めっちゃ容量ある水筒と水が入るタイプのバッグとテントと寝袋、あと砂漠の夜って寒いって聞いたから念の為の毛布とエチケットセット…くらいです!」
「ワー、オオメニカットイテヨカッター」
ありえないほどの真顔でカナラを見つめる
「お前、グローススコーピオン対策の道具何も持ってねえじゃねえか」
グローススコーピオンとは多くの砂漠に生息する大型のサソリ。体長は約4メートルあり、速度ならそこら辺の原付よりも速い。
砂漠探索の一番の弊害でこれまでに数多くの先駆者の命を奪ってきた存在
「砂漠で死ぬ気か?あんなところで死んだら死体ボロボロになって身元の特定が困難になるぞ…まあいいか」
呆れた目で「どれだけ呆れられても見捨てられない…お前ある意味愛されキャラだよな」と言う
袋の中からお香のようなものを取り出す
「こいつはグローススコーピオンに対して忌避効果がある…らしい」
「らしい?」
「こういう類のもんは大抵市場に劣化版か偽物が出回ってるもんだ。自分だって本物か試したいがグローススコーピオンが売られてるわけもなかった。」
「つまり、判断基準がないと…」
「そゆこと」
「製法が知れりゃあ作れるが企業秘密とか言う高過ぎる壁があるからな」
「匂い嗅いでなんとなくで作れないんですか?」
「作れる訳ね~だろ…」
(G○nさんじゃあるまいし…どうしたものか…)
「考えたって仕方ないじゃないですか。そんなことよりほら!ケーキ食べましょ!」
「お前は少しは深刻に考えろ」
「え〜?楽観的なのが自分の取り柄なのにそこ取り上げたら銃の使えるただのアホの子になっちゃいますよ。」
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