ー注意ー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 先に進む前にお読みください ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こちら日常組の脱獄シリーズの二次創作です
話を簡潔に進めるための創作がございます。
ご本人様方とは全く関係ないです
荒らしやアンチはご遠慮ください
ナチュラルに看守組揃ってます
キャラ崩壊…かも?
BL注意!
それでもいいよ!
という優しい方はそのままお進み下さい
「おい、8番起きてるか」
ぼんやりとした意識の中、かすかに聞こえてくる声に目を覚ます。まだ状況の掴めない頭は声の聞こえた方を向く。目をグシグシと擦りピントを合わせる。
「あれ?リアム看守?」
ハッキリとした意識が目の前の情報を処理し始め困惑する。もう朝になっていたのか、と時計を見ると更に困惑する。
「あれ?まだ起きる時間じゃない?」
いつもはリアム看守が来る時間より少し前に起きるか丁度ぐらいに起きるため寝坊でもしたのかと思っていたのに、時計の針は1時間ほど前にある、急に起こされた事もあって何事かと少し焦る。
「どうしました?いつもより早いですし…トラブルとかですか?」
リアム看守を見てみれば帽子のつばを持ち、目深に被る。なんだかバツが悪そうな顔をしており疑問に思う。
「あー…トラブルでは無い、安心しろ」
あぁ、それなら良かったと安堵のため息を吐くがではなぜリアム看守がここに来たのかと言う新たな疑問が浮かぶ。
「じゃあなんで来たんですか?看守」
そう聞いた途端、リアム看守はビクッと肩を揺らす。目深に被っている帽子をさらに深く被り、ピクリとも動かない。待ってみても一向に話す様子はなく、少しずつ眠気が襲ってくる。
「えー…お前に渡すものが、ある」
ようやく話し始めた内容に一気に意識が目覚める。贈り物?誰からだろう。真っ先に思いつくのはPKST団の一員であり、いつも脱獄のサポートをしてくれるトラゾーだ。何が送られて来たのか、きっと手紙も入っているだろう。リアム看守が渡して来るのを待つ。しかし、まだ動く様子のないリアム看守に痺れを切らす。
「リアム看守?くれないんですか?」
首を傾げ聞くと、グギと歯を食いしばり、即座に下を向く。
「もっ、持ってくるのを忘れた!後で持ってきてやるからさっさと寝ろ!」
と吐き捨てさっさと行ってしまう。急に行ってしまうもんだから目で追っていると背中に小さなブーケを持っているのが見えた。言動といい、持ってるものといい何がなんだか、と困惑するがひとつ言うならば。
「さっさと寝ろって…もうすぐ刑務作業時間じゃないすか…」
「みんなおはよー」
そう、少し眠そうにスティーブ看守が来る。挨拶をすればみんな元気だねぇーと欠伸をひとつ、ご飯を食べ終われば今日の刑務作業場へ向かう。
「そう言えばみんな、今日は何の日か知ってる?」
スティーブ看守の問に俺も他の二人も考えるがそもそも、今日が何日か分からないため考えようもない。そんな空気を出してようやく気づいたスティーブ看守はごめんごめん、と笑う
「今日は2月14日、バレンタインデーだよ」
へぇー今日バレンタインだったのかと各々の反応をしているとスティーブ看守がポケットをゴソゴソと探る。そして出てきたのは三つのクッキー。
「俺の地域だと友達にお菓子渡してたんだ、ここではお菓子とか貰えることもそんなないからね、プレゼント」
これで今日も作業頑張ってね〜、と手を振りながら去っていく。貰ったクッキーを見ればよくある市販のプレーンのもの。しかし
「「「ステ様ぁぁ!!!」」」
久方ぶりの甘味は宝石のように輝いて見えた。
スティーブ看守から貰ったクッキーを俺たちは味わって食べ、今日も脱獄の準備と刑務作業をする。クッキーのおかげか今日はいつもより成果が出ていた気がする。
「おい、お前ら刑務作業終了だ」
そう言い現れたのはステイサム看守だ。なんだか少しうんざりしているような雰囲気を感じるが、そんな事も気にしていないのかしにがみが声をかける
「ステイサム看守!今日バレンタインですよ!なんかないですか!」
と先程スティーブ看守がクッキーをくれたからか調子に乗ってステイサム看守にも菓子をねだる。
「あぁ、そういえば今日はバレンタインデーだったな。だからあいついつもよりクッキーを多く持っていったのか」
と一人納得しているが俺含む三名、期待して返事を待っている。しかし、少し申し訳なさそうな顔をしている。
「すまないが、菓子は無いんだ」
そう返された言葉に俺たち、特に聞いた本人は気分が降下する。だが、代わりに今日の食事を少し豪華にしよう。と代案を出してくれるステイサム看守にまた俺たちのテンションは上がった。
久方ぶりの甘味に品揃えがいつもより多く美味しい夕食。今日はいい日だなんて感傷に浸っていると。
「おい、8番」
朝に聞いた声が聞こえてきた。今日は何もやらかしていないはずだがと一人ハラハラしているが、パッと見怒っている様子はなく、少し安心する。そこで朝の出来事を思い出す。渡すものってなんだったんだ?
「あっ、リアム看守!今思い出したんですけど、朝に言ってた渡すものってなんですか」
その言葉に看守はピクッと反応する。
「…そうだな」
また帽子を目深に被る。なぜそんなに渡すのを渋るのか、全く分からずまた長くなるか?と考えながら今日の出来事を話す。相槌だけはいつも通りで、勢いに任せてリアム看守にも聞く
「リアム看守からもないんですか?バレンタインのプレゼント、俺めっちゃ欲しいです!」
言い終わった瞬間リアム看守は目を見開きこちらを見る、顔は赤く染まり、ズンズンとこちらへ迫ってくる。なんだなんだ、怒ったのか?囚人風情が偉そうにするなってか?と一人慌てているとガジャンと大きな音を立て扉が開く。
ヒェッ…と後ずさるとリアム看守が胸に何かを押し付けてくる、見てみればそれは朝に見た小さく可愛らしいブーケだった。
「やる」
丁度見えるリアム看守の顔は耳まで真っ赤でなんだか怒っている、とは少し違う顔をしている。触れている手は手袋をしているはずなのに熱く感じる。そこからどんどん広まっていく熱に困惑しリアム看守の目を見る。いつもより見やすい瞳はいつもの鋭さを持ちながらもどこか柔らかく見てはいけないものを見た気がして顔も熱くなっていく。気まずい沈黙が流れる。気づいたのはどちらが先か、バッと体を離す。
「要は済んだ、じゃあな!」
と大きな声を上げ勢いよく牢屋を出ていく、どんどん遠くなる足音が聞こえる。そこからしにがみくんが大声で声をかけてくれるまで俺はぼんやりとブーケを眺めていた。
あとがき
閲覧頂きありがとうございました
朝に今日がバレンタインな事を思い出して急ピッチで書きました。
なので至らない点があるかもしれませんが、目を瞑ってください
国によってバレンタインで渡すものとか渡す側とか変わって文化の違いを感じますね。
リアム看守の住んでる所だとバレンタインは好きな人に花を渡すということにしています。
ブーケの花の内容は書いてませんがどんなものかは決まってます。
ひまわり一本、黄色のガーベラ三本、カスミソウ、黄色のバラ三本、ユーカリです。
それにしてもみんなのわちゃわちゃとかちょっとヘタレしてたリアム看守書くの楽しかったです。
ちなみにステイサム看守がうんざりしてたのはリアム看守が8番に会いたくないが為に頼んで(押し付けて)きたからです。
最後に、コメントでも言いましたが累計2000いいね到達ありがとうございます!
是非、いいね押してってください。
ありがとうございました
ハッピーバレンタイン!
コメント
1件
1000いいねありがとうございます! 是非花言葉なども調べてみて看守からの無自覚メッセージを知ってニコニコしましょう!