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『慈悲も、自由も、与えぬ』夜は静かだった。

その静けさの中で、あなたの鼓動だけがやけに大きく響いていた。

無限城――果てのない廊下と冷たい空気。

そこに、あなたは囚われていた。

「逃げようなんて、くだらない妄想はしないことだ。君には、その資格すらない」

背後から、低く冷たい声が響く。

振り返らなくても、誰の声か分かる。――鬼舞辻無惨。

彼はまるで黒い霧のように、あなたの意識に染み込んでくる。

いつからだろう。気づけば、彼に囚われ、心さえも縛られるようになったのは。

「私はお前に興味がある。……それだけだ。他の誰にも触れさせない。それが理解できないのなら、教え込むしかないだろう」

指先が顎に触れる。

冷たい。けれど、その手からは得体の知れない熱が伝わってくる。

「私の目の前で、他の鬼と笑っていたな? 童磨にさえ、媚びるような目で――」

「ち、違います……私は、そんなつもりじゃ――」

「黙れ」

低く響いたその一言に、体が硬直する。

「私の言葉に、言い訳など不要だ。お前が何を思おうが、何を感じようが……私はお前を“所有”している。それだけで十分だ」

彼の瞳が、じっとあなたを射抜く。

そこに愛はない。けれど、それに近い“狂気のような執着”が確かにあった。

「嫌なら、壊れてしまえ。泣き喚き、絶望し、それでも私に縋りつくように……仕込んでやる」

背筋をなぞるように指先が滑り、恐怖と同時に、なぜか胸がざわついた。

――おかしい。怖いのに、心が逃げられない。

「怖がる顔も、悪くはないな。だが……もっと素直に、私だけを見ろ」

無惨の声は、命令ではなく“呪い”のようにあなたの中に染みつく。

そして、ふいに唇が触れそうなほどの距離で囁かれる。

「お前は、私のものだ。永遠に」

逃げ場は、もうどこにもなかった。

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