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本気にさせたい恋

40 - 第40話  止まらない愛しさ②

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2024年09月18日

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「え?」

「透子はずっとオレの先にいる」


あなたのその背中に追いつきたくて、その隣に立ちたくて、オレはここまで頑張って来た。

だけどきっと、あなたはまだオレの手の届かない場所にいる。

こうやってようやく今は隣で二人で一緒にいることが出来たけど。

まだ仕事としての先輩としても、オレに対しての心の距離も、まだあなたはずっと先にいる。


あなたを追い越す時は、きっと。

あなたがオレのモノになって、オレが守ることが出来た時だと思うから。


「何、それ。変なの」


当然あなたにはまだ何も響かないこともわかってる。


「それにオレは遠くになんて行かない」


だけど、あなたがいる以上、オレは遠くに行ったりなんてしないから。


「オレはずっと近くにいる」


仕事仲間では言わない言葉だと、なんとなく気付いてくれたらいい。


「大袈裟だな~」


だけど、やっぱりあなたはその言葉の意味には気付いてはくれなくて。


「だって透子がそうやって言ってくるから」


あなたの言葉に乗っかって軽く流す。


「っていうかさ~ここ職場だから、その名前で呼ぶのやめない?」


その上、ようやく近づいて距離を縮めようとしているオレに、彼女はまた距離を遠ざけるようなことを言って来る。


「え~なんで~? 二人だけの時はよくない?」


ようやくここまで来たのに。

名前だけでも呼ばせてよ。

そこからまずあなたをドキドキさせたいんだけど。


「二人だけでもよくないでしょ。会社だし」

「え~二人以外誰かいたらもちろん呼ばないよ? 不本意だけどちゃんと望月さんって呼ぶからそこは安心して」


だけど、あなたには迷惑かけない。

ちゃんと他の人がいれば、オレとあなたはただの先輩と後輩、そして仕事仲間に戻るから。


「いや、そういうことじゃなくて・・・いや、それも心配なんだけど・・」

「え? 他に何があるの?」

「いや・・・私がさ、ちょっと名前が恥ずかしくて仕事モードにならないっていうか・・・気になる・・から」


すると、嫌がってる理由がまさかの恥ずかしいから・・だなんて、彼女から思ってもいない言葉が飛び出した。


いやいや、それって完全にオレ意識してるってことだよね?

オレがそう呼ぶことであなたはオレを意識して仕事モードにならない・・と。

それ・・最高じゃん。


「そっか。名前で呼ばれるとオレのこと意識しちゃうんだ?」


オレは嬉しくなって思わずニヤケながら彼女に改めて確認する。


「いや!そう、じゃなくて!」


すると彼女は必死に否定する。


「え~そういうことでしょ~。それにオレに呼ばれて恥ずかしいとか可愛すぎるんですけど~」


だけど、彼女の言う言葉も、行動もすべてがオレを意識してのことかと思うと嬉しすぎて、可愛すぎて。


「はっ!?」


よく見ると完全に照れてる顔。


「ちょっ、調子に乗らないでよ!」


そんな風に抵抗してもオレには逆効果。

あなたを意識させてオレに照れてくれるだなんて。

そんなあなたをもっと見たい。


「仕事モードにならないなら、やめる必要ないよね」

「はっ?意味わかんない」

「だってオレと二人の時は別に仕事モードにならなくても、全然意識してもらって構わないし」


オレはいつでもあなたにオレを意識していてほしい。

それが仕事仲間だとしても本当は構わない。

だけど、本音はいつでもオレを男として意識していてほしいから。


「そんなのこっちが困るし」

「オレは困んない♪」


あなたをオレが困らせること出来るなんてたまんない。

オレでもっと困ってよ。


またオレは嬉しくなってニヤケたまま彼女の言葉を却下する。


「それよりも。オレは透子をその気にさせる方が大事」


だから、オレはそう言ってじっと見つめながら、テーブルに置いている彼女の手を向かい側から手を重ねる。


オレはあなたをその気にさせる為なら手を抜かない。


「ちょっ!」


すると案の定、手を振り払おうとする彼女。


「最初っから言ってんじゃ~ん。オレは仕事全然影響なくて大丈夫だって」


言葉は軽く余裕ぶったことを言いながら、彼女を意識させたくて逃したくなくて、彼女の手を固く握ったまま、笑顔で反応する。


オレはあなたがそばにいてくれれば、逆に仕事頑張れるんだよね。

もっとあなたに近づこうと、力が湧いてくる。


「透子にはオレに本気になってもらわないと。どんな時でもオレは手を抜かない」


だから、今のオレのこの気持ちだけはちゃんと伝えておく。

あなたがオレを受け入れてくれた以上、オレはあなたと一緒にいる時も、いない時も、どんな時も手を抜かないから。


「だとしても、それは仕事じゃない時でさ~」


だけど、照れているのか、なかなか受け入れてくれない。


「オレには仕事もプライベートも関係ない。いつでもどこでも透子と真剣に向き合ってる」

「それは、そうなんだけど・・・」


あなたはそうやって誤魔化そうとするけど、オレはいつでもあなたに振り向いてほしくて、いつでも真剣なんだよ?


「プライベートだけとか時間足りなすぎる。オレは透子と一緒の時間はどんな時でもドキドキさせたい」


ようやくここまで近づけたけど、同じプロジェクトとはいえ、部署も違うし、ミーティングだってそんなにしょっちゅうあるわけじゃない。

オレには時間が足りない。

あなたを少しでも早くオレのモノにしたい。

オレはどんな時もあなたにずっとドキドキしてる。

あなたをずっと意識してる。



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