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「何それ・・。こんな時までまだからかうの?」
こんなにもあなたを真剣に見つめて、こんなにも真剣な言葉を伝えてるのに。
「これがからかってるように見える?」
思わず想いが溢れてギュッと握っている手を強く握り返して少しオレの方に引き寄せる。
「だから、そっちも二人の時はちゃんと名前で呼んで?」
しょうがない。
今はせめてそれで許してあげる。
「最近名前呼ぶのサボってるでしょ。二人の時もずっと早瀬くんだし」
せっかく呼んでくれた名前も思っていた通り、彼女はなかったように普段通りの呼び方に戻す。
「だって・・・なんかまだ恥ずかしいんだもん・・・」
おっと・・・。
何だよその反応。
このタイミングでそんな可愛い反応してくれちゃうわけ?
「ふっ」
やっぱりこの人が可愛くて仕方ない。
なんだかんだ言いながら、ちゃんとオレを意識して照れてくれてるんじゃん。
そのオレだけに照れてる姿がたまらなくて。
オレはつい嬉しさが込み上げて、ニヤケて声に出して声が漏れてしまう。
「何それ可愛すぎるんですけど」
もっとそんな可愛い姿オレに見せてよ。
「何、言ってんの・・・」
そしてそんなオレの反応を見てまた戸惑う彼女もただただ可愛い。
「もう、この手放して」
そして恥ずかしそうに手を振り払おうと抵抗し始める。
「ダーメ。逃がさない」
だからそんなことしたって無駄。
やばい。こんな姿ずっと見てたい。
オレを意識して困る姿。
たまらない。
オレはそんな彼女にもっと触れたくなって、逃がしたくなくて、更に両手で握り返す。
「だけどこれからは本気にさせ合うんだから、ちゃんと名前で呼ぶ練習しないと。早瀬くんじゃ色気なさすぎでしょ」
オレももっとドキドキさせてよ。
もっとあなたがオレの名前を呼ぶ姿を見たい。
あなたがオレの名前を呼んでいるのを聞きたい。
「じゃあ、ちゃんと仕事以外では呼ぶようにする!」
すると彼女は自分の今出来るレベルでの反応を返してくる。
それ、ただ今この状況を逃れたいだけだよね。
そんなの認めるはずないでしょ。
「ダーメ。絶対呼ばないじゃん。二人の時は会社でもちゃんと呼んで、プライベートでも呼べるようにちゃんと慣れていってもらわないと♪」
今呼んでないのに呼ぶつもりないことなんてわかってる。
オレはあなたといつでもどこでもドキドキを楽しみたい。
あなたにずっとオレにドキドキしていてほしい。
「こんなことで恥ずかしいとか可愛すぎて、それ以上にここで恥ずかしいことしちゃってもいいんだけど?」
結局あなたがどんな反応をしても、オレにはただ可愛すぎるだけだからね。
あなたさえ良ければ、オレはあなたとそれ以上のことを今すぐここでしても構わないんだけど?
「はっ!? 何考えてんの! わかった!わかったから! ちゃんと呼ぶようにする・・・」
そんなオレの言葉に焦って、ようやく了承する。
「じゃあ。あの時みたいに”放して、樹”って色っぽく言ってくれたら放してあげる」
あの時みたいにオレを誘惑してよ。
オレをもっとドキドキさせてよ。
「ハナシテ。イツキ」
するとあからさまにわざとらしく棒読みで伝えて来るその言葉。
へ~そういう態度取るわけね。
「何その棒読み。え、今ここでチューしてほしい?」
ちゃんと気持ち込めて言ってよ。
そんな言い方意味ない。
「いや!いい!!ごめん!ちゃんと言います!」
いや、そんな全力で否定されたらオレ的には複雑なんだけど・・・。
「ちゃんと色っぽくね♪」
あの時みたいに、無意識な時が一番たまんないから。
「放して? 樹・・」
ドクン。
彼女のその一言が、オレを見つめながら伝えて来るその言葉が。
また彼女への感情を揺さぶる。
やばっ。
その言い方たまんない。
「ねぇ、やっぱチューしていい?」
今度はまた逆効果。
オレが彼女をもっと放したくなくなった。
「はっ!?ちゃんと言ったじゃん!」
「え~だってさっきよりもっと可愛くてチューしたくなった」
今こんなもどかしい関係じゃなかったら今すぐ抱き締めてそうしてるのに。
「バ、バカじゃないの!ほら!早く放す!」
案の定照れてる彼女も可愛いと思いながら、感情のまま彼女に触れられない距離がもどかしい。
「じゃあ続きは帰ってからね♪」
でも、今はどうにかしたくなりそうな感情を抑えながら、それ以上感情が大きくならないように、彼女からも手を放す。
本当にそんなこと出来ればな。
あなたはいつオレのモノになってくれるの?
いつあなたはオレにその心もカラダも許してくれるの?
あなたといると、つい暴走しそうになる感情。
だけど、まだ今はどうにもならなくて、ただあなたを見つめる。