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「私は背が低いし・・見た目そんなに良くないから」
「見た目が良くない?君が?」
「ええ・・顔も・・・ブスだわ・・・ 」
「君がブス?ブスだと?」
「ええ北斗さん・・・・慰めてくれなくてもいのよ・・・自分のことは良く知ってるわ」
北斗はげんこつで腹を殴られたような気分だった、自分がこんなにも愛するようになったこの女性は、過去に容姿のことで親からひどく傷つけられた経験があるのだ
そういえば母親にいつも矯正させられて、その望み通りに出来なかったと言っていたことを思い出した
「まったく!なんてことだ!!」
どうして彼は怒っているの?アリスは不思議な気持ちで彼を見た
「確かに君は俺よりは背が低い、でもそんなこと 」
ボスンッ
「キャ!」
アリスは突然北斗に抱えられ、ソファーに放りなげられた、そしてアリスの横にすかさず北斗が横になる
「こうして一緒に寝てしまえば何の問題もない 」
「北斗さん・・・ 」
北斗がクッションに頭を乗せたまま、こちらを見ている、頬がクッションに押しつぶれている、かわいい
「君をブスだなんて言うヤツがいれば連れてこい!そんなヤツは俺が片っ端からブン殴ってやる 」
クス・・・
「暴力はダメよ」
「たとえそれが君の母親でも」
ハッとアリスは彼の顔を見た
彼は・・・・わかっているのだ、自分の嫌になるぐらいの自己肯定感の低さは、親に言われたことから影響を受けていると・・・
彼もそうだったように・・・
二人はしばらく見つめ合った、まるでこの世の唯一の宝物を貰ったみたいに
アリスは彼に向かって微笑んだ、あんがい私達は似た者同士なのかもしれない
「君をブスだなんていうヤツは俺が許さない」
優しく親指で顔にかかった髪を耳にかけられた
「アリス・・・俺は妻は夫に従うべきだと主張するタイプの男ではない、君に対して偉そうにするつもりもない、君の方が遥かに学歴も一般常識も俺より上だし、何事も君の自由に決めてくれて構わないと思っている」
北斗はアリスの顔を両手で挟み視線を合わせる
「けど・・そんな俺もこれだけは、譲れないと思うことがある 」
この思いが伝わりますようにと、祈りながら北斗は言う
「いいかい?今後一切君は俺の前では、自分の事をブスだなんて言うな」
アリスの顔を挟む両手に力が入る
「君が自分自身をブスだなんて言うことは、君を心から美しいと思っている俺に対して失礼だ」
アリスの目を見てしっかり言い聞かせる、このバカげたアリスの思い込みがこれで消えるように
「君は礼儀にうるさいだろう?これは夫である俺の命令だ」
言葉を発した時の北斗の優しい口調が、アリスの心の琴線に触れた
アリスの表情が緩む
唇が・・・
笑みを形作る
アリスはそっと伸びをして彼の唇にキスをした
彼は「うん?」と片眉を上げてアリスを見たが、すぐにアリスの気持ちに気付いてくれた
次の瞬間、暖かい彼にしっかり抱かれ熱く唇を重ねた
じわりと涙がにじむ
よかった・・・・この人を愛せて
この人と出会えてよかった・・・・
本当によかった・・・・
..:。:.::.*゜:.
「あなたを愛しているわ」
北斗がぴたりと動きを止め目をパチクリさせた
アリスはただ微笑んで彼の頬に触れた
この人は私と同じ、子供の頃に拒絶される経験をしたせいできっと自分が愛される価値のある人間だと、思えなくなってしまったのだろう
今彼は私のそういった心の氷を溶かしてしまった
「何も言わなくていいわ」
アリスは囁いた
「ただ私が愛していることは知っておいてほしいの」
彼の目には歓喜と衝撃の両方が、混在しているように見えた
ふとアリスは彼は今まで誰かに「愛している」と言われたことが、あったのだろうかと考えた
彼は当然のごとく、親から与えられた愛情のぬくもりや、思いやりも知らずに、弟達への義務感だけで生きて来たのだろう
北斗がようやく発した声はかすれたどたどしかった
「ア・・・アリス・・・」
「いいから― 」
アリスは甘く囁いて彼の唇に指をあてた
「今は何も言わなくていいわ・・・キスしてくれればいいの・・・」
そして北斗はこの上なく、賢く甘美な妻を抱きしめ、映画のラストシーンのようなキスをした
:.*゜:.
信じられなかった・・・
二人は北斗の家に帰り、まだ昼間だと言うのに激しく体を重ねた
アリスは思った、まさか自分がこれほどまでに強く誰かを愛して求めるなんて・・・・
アリスは硬くて大きな北斗のモノを口に含んだ、まるでそうすることが当然のように・・・
彼に快感を与え自分も与えてほしかった
寝室のカーテンの隙間から、まっ昼間の太陽の光が斜めに部屋に差し込んでいる
薄暗いといっても月明りよりも明るく、お互いの肌の色の違いがはっきり認識できる
今は北斗を上から見下ろしている
さんざん彼のモノを口で弄て遊んだ後、自分から彼にまたがり根元を抑えて体の中に沈めた
北斗が吐息をもらしてのけぞる、自分が上になるのもこれが初めてだった
自分のお気に入りのFrancfrancのピンク色のシーツ
そのベッドシーツの色を見て彼は驚いたけど、君がくつろげるならと笑った
足を広げて彼にまたがり、上から見つめながら、それは奔放に本能のままに動いた
ピンク色のシーツに全裸の夫・・・
長い睫に男らしく筋が入った首筋・・・
ハートの形の耳
日に焼けた肌に茶色い乳首
アリスを見つめる琥珀色の瞳・・・
ぐっと中の彼のモノを締めつけると、彼の瞳の瞳孔が狭まるのが見えた
長い脚に肩幅とウエストの比率・・・
綺麗に割れている腹筋・・・
へそを下っていった所の豊かな茂み
恥骨
さっきからずっと優しく円を描くように、アリスの尻を撫でてくれている、暖かく大きな手・・
まるで北斗について、愛しているすべてがこの一瞬に・・・
目線を合わせて微笑んでくれる顔に・・・
アリスの良い所をわかっている、自身に満ちた腰の突き上げに
彼の絶頂のわななきに
昼間の閉ざされた静かな空間で、繰り広げられる幸せで自由なセックスに二人は心ゆくまで溺れた
ハァ・・・「アリス・・・・」
ブルッ・・・「何も言わないで・・・北斗さんっ・・・まだ感じているの・・・何も言わないでこのまま抱きしめて」
たしかにまだアリスはガクガク震えている、それと同時に中の収縮が連動している
北斗は思った今まで「何か話せ」と言われたことはあっても「何も言うな」と言われたのは初めてだった
彼女が何も話したくないと思ってるならば、そうするまでだ
さきほどの恐怖にまだ心はざわついている、正が怖いのではない、誰かに自分の大切なアリスが傷つけられるのが怖いのだ
アリスが崩れ落ちてきて、北斗とおでこをくっつけた
茶色い小川の流れのような彼女の髪に顔をおおわれ、世界は彼女の顔だけになる
ハァ・・ハァ・・「こんなに・・・感じたのは・・・初めて・・・ええ・・もう本当に・・・」
「大丈夫かい?」
北斗は嬉しくて笑い出したかったが、自分自身も精を放った体が震え、力がまったく入らなかった
沈黙が心地よく、外の小鳥のさえずりとお互いの吐息を、BGMにうとうとしていた
北斗はアリスのサラサラな髪に手をくぐらせた、指どおりが滑らかで一つも絡まず、サラサラと北斗の指の間を通り過ぎる髪を見つめる
こんなふうにすべての筋肉が緩んでぐったりとなり、二人で静かにまどろんでいられるのは、北斗が今まで生きてきた中で一番幸福な時だと思った
しばらくしてふとアリスはこのうえなく素晴らしい、いたずらな考えがひらめいた
「北斗さん?」
低い声で囁きかける
北斗は満足そうに閉じていた目を開け片眉を上げた
アリスの問いかけに応えるのだけでも大儀で眠たそうにしている
まだ震える指先で彼の彫りの深いまっすぐな鼻を撫で、色っぽい声で言った
「もう一度おねだりしちゃダメ?」
一瞬北斗は反応を示さなかったが
次の瞬間、アリスが想像もつかないほどの大声で爆笑しだした
「俺が一日一回しか出来ないジジイだとでも?3分休憩くれ!よくばり奥さん、そうしたらもう一度しよう、なんなら連続で何回できるかやってみよう 」
ごろにゃ~ん♪とアリスが猫のように北斗にすり寄った
だってとっても良かったのだもの、あれを一回で終わらせるのは惜しい
北斗はまだ笑っているが、しっかりアリスを抱きしめてくれている
アリスは息を呑み、身をくねらせた
とてつもなく不思議な感覚に襲われた、彼に恋してから日を追うごとに、前日よりも心豊かに満ち足りていき
募る思いは毎日どんどん深くなる・・・・
同じ男性に何度も何度も、来る日も来る日も恋することなどできるのだろうか?
でも実際・・・・
アリスはまた、今この瞬間自分の夫に恋をした