橙桃です。本人様とは関係ありません。
地雷だよって方、通報される方は見ないようにしてください。
こちらは前回の投稿
「学校の王子に好かれました。」
の続きです。1話を読んでいない人はそちらから読んでいただけると幸いです。
また、登場人物の設定も前回の投稿に記載しています。
桃side
赤「お兄ちゃんおそーい!!!」
青「置いていくよー!!!」
桃「……………どういうこと?」
昨日の夜、橙との出来事のせいで寝不足になってしまい、いつもより2時間ぐらい遅く起きた。
朝起きると俺を抱き枕のように扱っていた橙はいなくて、帰ったのかと思いながら階段を降りると玄関にいた弟たちと橙。
今から出掛けますよと言わんばかりの格好をしていて起きたばかりの俺は全く理解出来なかった。
黄「どういうことって、出掛けるんですよ!!」
桃「何処に?」
信号機組「遊園地!!!!」
橙が提案したのだろうか。弟たちは既に何に乗るかを相談している。
桃「……おはよう…連れて行ってくれるの?」
橙「おはよう!そうそう!折角だからもっと遊びたいなぁって思ってさ、子供たちに聞いたら遊園地がええって言うから連れて行ってあげようかなって」
桃「そっか…てか、俺も行くの?」
橙「もちろん!!遊園地デートしよ?♡」
桃「誰がするかアホ。」
橙「あれ?そういうこと言ってええん?」
俺がアホと言ったら突然耳元で囁いてきた橙。きっと反抗したら今度こそ襲われてしまう。
桃「分かったよ…行けばいいんだろ。」
赤「やった!!早く準備してよお兄ちゃん!!」
桃「はいはい…」
人混みはそんなに好きじゃないけど、今の時期だからそこまで人は居ないだろう。
そんな事よりあいつに襲われる方がよっぽど嫌だ。昨日は好きにしろって言ったけど普通に怖い。あいつ狼みたいなんだもん。
皆を待たしているので急いで準備をした。
信号機組「わぁー!!!!遊園地だー!!」
桃「迷子になんなよー」
はーいと元気よく駆けていく3人を後ろから見守る。流石に高校生になったらあまりはしゃぐほどでもない。まぁ、遊園地にきたのは7年ぶりぐらいだし弟たちはまだ小さかったから覚えてないんだろうな。……………確かあれが最後に家族で出掛けた日だったな…。
橙「…!桃!!」
桃「!!どうした?」
橙「どうかしたん?ぼーっとして」
桃「…ううん、何でもない。」
橙「手繋ご?♡」
桃「は?いや…」
橙「ん?」
桃「…どうぞ」
橙の声で現実に戻ったかと思うと早速始まった遊園地デート。こいつを怒らせたら俺の腰はオサラバだろう。
手を出すと包むように繋がれた手。あぁ…懐かしい。前に来たときに父さんと手を繋いだことを思い出す。俺が顔をあげるとにこっと微笑む橙。ドキッとしたのは絶対にナイショ。
青「あれ乗ろー!!!」
黄「ちょっと!待ってよ青にぃ!!」
桃「ほら、これ持っとけば何にでも乗れるから。」
赤「ありがと!!!」
早速ジェットコースターに向かっていく3人。本当に元気だなぁと微笑ましくなる。
橙「なぁ、ほんとに良かったん?」
桃「大丈夫だって俺の弟たちだから。」
隣に立っている橙が心配そうに顔を覗き込んでくる。きっとさっきの1日券の代金についてのことだろう。橙がお金を払おうとしたのだが、流石に自分の弟たちの物だから断ったのだ。
橙「でも…連れて来たのは俺やし……。」
桃「連れて来てくれただけで十分だよ、な?」
橙「……………うん、分かった」
随分と間が空いたのは気のせいだろうか。
青「つっかれたー!!!」
赤「お腹すいた〜」
桃「なんか食う?」
黄「何でもいいです!」
橙「んじゃ、フードコート行こか」
その後もご飯を食べてから沢山遊んで弟たちも満足していた。来てよかったなとちょっとばかり橙に感謝する。
黄「もうすぐ閉園ですね〜」
赤「最後にあれ乗ろうよ!!」
桃「あれって何?」
信号機「観覧車!!!!!」
観覧車…確かに父さんたちと来たときも1番最後に乗った覚えがある。
橙「…行こっか」
桃「うん」
相変わらず繋いだ手は離さない。
だが、もうすぐ閉園という少し寂しい気持ちになる時間に対して何だか安心出来る暖かさだ。
観覧車につき、順番を待つ。
赤「折角なんだからお兄ちゃんたちも乗ればいいのに〜」
桃「いや、いいよ俺は」
青「でも今日何にも乗ってないでしょ?」
桃「俺は見てるだけでいいの」
黄「そっか〜残念……なんて」
「「「言うと思った?」」」
桃「は………?!」
トンっと観覧車のドアが開いた瞬間、3人に押された背中。
青「どうぞ楽しんで〜」
ニヤニヤと笑う3人。後で覚えとけよ。
観覧車の中で橙と2人きり。あんなにニコニコしていたくせに2人になった途端、儚げに笑みを浮かべる。
桃「…バカだよな、あいつら。」
橙「……そうやなぁ。でも俺は兄弟いないから羨ましいで。」
桃「そっか…」
橙「………」
桃「…………今日はありがとな。弟たち皆楽しそうだった。あいつら、金が無いからこうやって遊びに来るのも数年ぶりでさ。いつも我慢させてしまっている分、今日は満足出来るぐらいまで遊べたと思う。」
橙「いえいえ…俺が勝手に連れてきたのにお金出させてしまってすまんな。」
桃「またその話?そんなに気にしてんの?」
橙「逆にどうも思わないん?俺、これでもお金持ちなんやで?好きに使ったらええのに。」
桃「使うって…お前は財布じゃねぇだろ。」
橙「!!!………ッ////やっぱり好き……」
桃「は?!/////何だよ急に」
橙「……、初めてだったんよ。俺の事を俺として見てくれる人。」
桃「何それ………どういうこと?」
橙「学校でも、家でも俺に近づく人は皆金目当て。皆俺の事は見ていないんよ。」
桃「っなに、それ…」
橙「俺と仲良くなろうとしてくる皆は俺じゃなくて俺の金が好きなんよ。あまり学校に行っていなかった俺は皆と話が会わなくて本当につまらない奴だった。でも俺といれば金なんて湧いて出てくる。俺も一人は寂しいから皆に金を渡さなきゃって必死で…。って何で泣いてるん……?」
桃「だって…そんなの酷いだろ、……でも家の人も?家族は?」
橙「桃は優しいなぁ………桃も知ってる通り、父さんと母さんは2人とも有名でさ、中々家に帰ってこないの。だから、昨日のように誰かと一緒にご飯を食べるのも初めてだった。執事もメイドも皆突っ立っているだけ。執事たちはさ、金を貰う為に働いてるんよ。俺が静かに何もせずに過ごしているだけで金が入ってくるんだもんそりゃあ魅力的な仕事だと思う。」
桃「………ポロポロッ」
言葉に表せないくらい悲しい気持ちになった。橙はずっと孤独だったのだろう。俺は父さんが事故で死んだとき、母さんが俺たちを置いて出ていったとき凄く悲しかった。辛かった。でも弟たちがいた。元気で、明るくて、うるさくて。一緒にいると自然と笑顔になれた。でも橙は違う。隣にいてくれる人は誰もいなく、出来たと思ったら金目当て。そんなの…俺だったら耐えられない。
橙「泣かんで、桃。」
桃「だって…だって!」
気づいたら俺は橙に抱きついていた。
橙「も、桃…?」
桃「………今だけ。」
寂しかったな。辛かったな。
お前の気が済むまで俺がそばにいてやるから。
橙「……なぁ。何で俺が桃のこと好きになったと思う?」
桃「………分かんない」
橙「憧れだったんよ。いつも1人で、自分の思い通りに突き進んでいる桃のことが。」
桃「そうだったの…、?」
橙「うん……周りに流されて、財布のように使われている俺とは正反対の桃が格好良くて。眩しくて。昨日の放課後もその憧れの気持ちが先走って好きって言ってもうたんよ。」
桃「じゃあ…今は好きじゃないの?」
橙「いや、好きやで。初めて俺を俺として見てくれた。そんな桃が大好き。でも、迷惑かけ過ぎたよな…ごめん。」
桃「………誰かさんのせいで初キス奪われたんですけどー」
橙「ゔっ!!…そ、それは申し訳無いと思っていて…」
桃「誰かさんのせいで寝不足何ですけどー」
橙「ご、ごめんて…」
桃「誰かさんのせいで涙流したんですけどー」
橙「…桃?ごめんな?」
桃「………………誰かさんのせいで、好きになっちゃったんですけど…/////」
橙「ごめ……………え?ほんまに…?」
桃「でもちゃんと告白されてないしなー、今ならOKするのになー/////」
橙「!!!!…桃、大好きです。付き合ってください。そして、結婚して下さい!!」
桃「け、結婚はしねぇよ!!!でも………よろしくおねがいします/////」
丁度頂上に着いたらしく、窓の外には三日月が浮かんでいる。
橙「なぁ…観覧車のてっぺんで成立したカップルって一生幸せになれるらしいで?」
桃「そんな言い伝え関係なく幸せにしろよな」
橙「ふふっw勿論。」
1年後
橙「桃ー!!俺のネクタイどこー?!」
桃「知るかよ。ハンガーの下とかに落ちてんじゃね?」
橙「あったー!!さっすが天才!!愛してる!!」
桃「はいはい」
あれから橙は親に許可をとって俺の家で住むことになった。橙の両親はとても良い人で俺たちの生活費も負担してくれようとしたのだが、それはしっかりとお断りした。橙も何かとお金を出そうとするのだが、自分の為に使って欲しいと言うと最近は出さなくなってきた。
また、弟たちとも遊園地の事があったからかすぐに打ち解けて今では本物の兄弟のように過ごしている。
赤「おはよぉ!」
黄「おはようございます!!」
桃「ん、おはよう」
青「はぁ…………朝からうるさいなぁ」
橙「青〜また寝不足なん?しっかり寝なきゃ駄目やで?」
青「誰のせいだと思ってんの…ほんとに毎晩うるさい…」
桃「はぁ?!?!/////」
黄「全くもう…ラブラブなのはいいですけどほどほどにしてくださいね?」
橙「wwwはいはい、やって桃♡」
桃「もう………今すぐに消えたい…/////」
学校の王子に好かれたら幸せを手に入れることが出来ました。
コメント
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橙くん…今までお疲れ様ぁ…() 桃くん泣いちゃうの優しいね…可愛いよ…() 2人とも幸せそうで良かったぁぁぁぁ!!! 好きになっちゃったんですけど…とか、 幸せにしろよ…とか、 もうなんか全部好き()