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ゆき
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佐野は吉田を保健室へ運びベッドへそっと下ろした
そして、未だ目を覚まさない吉田の手を握りしめるとそのままベッドに突っ伏した
勇斗「…………」
お願いだから目を覚ましてほしい
もう一度、いつものように自分の名前を呼んでほしい
そんなことを考えていると――
仁人「……っん? はや……と?」
勇斗「……っ!!」
顔を上げると吉田がゆっくりと目を開けていた
勇斗「仁人!!」
吉田が目を覚ました
そう分かった瞬間、佐野はたまらず吉田に抱きついた
勇斗「良かった……っ、仁人……!」
仁人「……勇斗? 泣いてるの?」
勇斗「泣くに決まってんだろ……!仁人がいなくなるんじゃないかって、不安だったんだぞ!」
仁人「……ごめん」
勇斗「ほんとに……ほんとに、良かった……」
佐野は吉田を抱きしめたまま何度も言葉を詰まらせた
しばらくの間、保健室には佐野の啜り泣く音だけが響いていた
やがて、吉田がぽつりと口を開いた
仁人「……ごめんね、勇斗」
勇斗「……仁人?」
仁人「俺もう諦めるから、勇斗のこと応援するよ」
勇斗「……は?」
仁人「俺が勝手に期待しちゃっただけだし……」
勇斗「違う!!」
仁人「……っ」
勇斗「俺が好きなのは、今までもこれから先もずっと仁人!お前だけだよ!」
佐野は泣きじゃくりながら必死に伝えた
勇斗「俺が一緒にいたいのは他の誰でもない仁人なんだよ……!」
仁人「で、でも……昨日女の子と……」
勇斗「あれは……学園長に脅されたんだ」
仁人「……え?」
勇斗「指示に従わなかったら仁人に何かするって言われて……」
佐野は一度俯き握っていた吉田の手をぎゅっと握り直した
勇斗「俺が言うことを聞けば仁人を守れるって思ったんだ……」
「でも……そのせいで仁人を傷つけた」
仁人「……勇斗」
勇斗「ごめん……本当にごめん、仁人……」
何度も謝り続ける佐野
そんな佐野を見て吉田はそっと腕を伸ばした
そして、今度は自分から佐野を抱きしめた
仁人「……もういいよ、勇斗」
勇斗「……っ」
仁人「勇斗がしたことはまだ許せない」
勇斗「……うん」
仁人「でも、それでも俺は勇斗が好きだ」
勇斗「……仁人……!」
仁人「だから、もう泣かないで」
佐野はしばらく吉田の腕の中で泣いていた
やがて、ゆっくりと顔を上げる
そして、少しだけ身体を離し吉田と向かい合った
佐野は吉田の手を両手で包み込む
勇斗「仁人……」
仁人「……なに?」
勇斗「こんな情けない俺だけど……俺と付き合ってほしい」
吉田は少し驚いたように目を見開いた
それから、ふっと表情を和らげる
仁人「……うん」
勇斗「……!」
仁人「これからよろしくね、勇斗」
勇斗「……っ、仁人ぉぉぉ!!」
仁人「うわっ!ちょ、また抱きつくなって!!」
勇斗「だって!だってぇぇ!!」
仁人「はいはい、分かったから……!」
そう言いながらも、吉田は佐野を引き離そうとはしなかった
長い時間をかけてようやく二人は結ばれたのだった
――その頃
保健室の廊下では、学園長の後始末を終えた塩﨑・山中・曽野の三人が扉の向こうから聞こえてくる声に耳を傾けていた
舜太「……っ、やっとや! やっと!!」
柔太朗「ほんと、長かったな……」
太智「まぁ、これで一安心やな……興味はないけど」
舜太「またまた〜!そんなこと言っていっちゃん気にかけとったんは 太ちゃんやん!」
太智「そんなことないわ!!」
舜太「絶対そうやって!」
柔太朗「まぁまぁ二人とも、本人たちに聞こえるよ?」
太智「こんな距離で聞こえるわけ――」
勇斗「三人とも聞こえてるぞ〜?」
太智「……は?」
舜太「うわっ、聞こえとった!!」
柔太朗「だから言ったじゃん……」
太智「……お前ら、帰るで!!」
舜太「えー!せっかく付き合った記念日やのに!」
勇斗「記念日って、今日が初日だよ!?」
仁人「……お前ら、保健室の前で何やってんだよ!!」
三人「おめでとうございまーす!!」
仁人「うるさい!!」
保健室にいつもの賑やかな声が響き渡った
こうして、長かった二人のすれ違いはようやく終わりを迎えたのだった
コメント
5件
良かったよぉ💛ちゃん🥹🩷さんと幸せになってほしいですね。

無事結ばれて良かったですε-(´ω`;) 元凶理事長も後始末できたしね 2人のらぶらぶ楽しみです
結ばれてくれて良かった😭