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いやっふー
ある日突然、彩音の様子が変わる。
朝の挨拶も短く、団子を渡しても「後で食べる」だけ。
銀時が話しかけても目を逸らす。
銀時「……なぁ彩音、俺なんかやったか?」
彩音「別に。何も」
銀時「“別に”って言う時ってだいたい何かあるだろ」
彩音「そう思うならそうなんじゃない?」
そのまま彩音は出ていった。
残された万事屋に気まずい空気。
神楽「銀ちゃん、彩音怒ってるアル」
新八「いや、怒ってるっていうか……冷たいですよね」
銀時「……俺、何かしたか?」
銀時、元気がない。
仕事も手につかず、やる気ゼロ。
神楽「銀ちゃん、ちゃんと食べないとダメアルよ」
銀時「……別に、俺のことなんざどうでもいいんだろ。あいつは」
新八「銀さん……」
銀時(……そっか。そうだよな。最初から俺なんかより、もっとちゃんとした人のとこに行った方が良かったんだよな。俺みたいなもんに付き合わせて、疲れたんだろ……)
万事屋の戸が静かに開く。
彩音が、紙袋を抱えて立っていた。
銀時「……なんだよ。忘れ物か」
彩音「忘れ物じゃない」
銀時「じゃあなんだよ。冷てぇ態度取って、今さら何しに来た」
彩音、少し黙ってから紙袋を差し出す。
彩音「……これ」
銀時「……?」
紙袋を開けると、中には手作りの銀色のキーホルダー。
キラキラと光り輝くそれに刻まれているのは――“団子と木刀のマーク”。
銀時「これ……お前が?」
彩音「そう。最近、あんたがいつも団子買ってくれるから……そのお礼。うまく作れるまで時間かかったんだよ。だから……ちょっと避けてた」
銀時「……お前、まさかそれだけのために……」
彩音「…あんただけ首に何もないのも寂しいだろ」
一瞬の静寂。
銀時が息を飲む。
彩音「どうでもいいわけないだろ」
彩音、銀時の胸元を軽く小突きながら。
彩音「嫌でもあんたがくれたこの首輪が目に入るんだから。忘れられるわけないっつーの」
銀時「……バカかお前」
彩音「バカって言ったやつがバカ」
銀時「今お前もバカって言ったー!」
「……ほんと、俺って単純だな。お前が少し冷たいだけで、もう世界終わった気分になってた」
彩音「心配性すぎんだよ」
銀時「お前のことだと、どうしてもな」
彩音が飴を差し出す。
彩音「ほら…今なら可愛い可愛い彩音ちゃんもついてくるぞ」
銀時「俺にくれんの?」
彩音「……今日だけな。特別」
銀時「今日だけ、ね」
(嬉しそうに頬張りながら)
銀時「……来年の特別も予約しとくわ」
窓際で並んで月を見上げながら、彩音が首輪に指をかける。
銀時はその横顔を見つめて、少し微笑んで――
銀時「……やっぱ、俺の首輪が一番似合うな」
彩音「うっさい」
(でも、口元は少しだけ笑ってる)
あー、いいですね