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炭酸@サイダー🌠💙🎧️
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#解読者さんと繋がりたい
なぽりたん🍝解読者
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34
ホークアイズ事務所。
その日は朝から、物怪瑠衣の様子がおかしかった。
「……っ、けほ」
小さな咳をひとつ。
瑠衣は手の甲で額を拭った。
妙に身体が重い。
頭もぼんやりして、視界が少し揺れる。
それでも、本人は大したことではないと思っていた。
「瑠衣、顔色が悪いぞ」
枯柳杖道の声に、瑠衣は顔を上げる。
「えっ? そうか?」
「ああ。少し休んだらどうだ」
「大丈夫だって! オレ、元気だぜ!」
いつもの調子で笑う。
けれど、その笑顔はどこかぎこちなかった。
「……無理はするなよ」
「分かってるって!」
そう返したものの、杖道が外出したあと、瑠衣は机に突っ伏した。
「……あっつ」
額に触れる。
熱い。
自分でも分かるくらい、身体が火照っていた。
「……ちょっとだけ、休むか」
椅子から立ち上がる。
その瞬間。
「……っ、あれ?」
視界が大きく揺れた。
足元が頼りない。
「う、わ……っ」
壁に手を伸ばす。
しかし、指先がうまく壁を捉えられなかった。
ずるり。
身体が床へ崩れ落ちる。
「……っ、うぅ……」
床に手をついたまま、しばらく動けなかった。
額から汗が流れる。
首筋も、背中も、熱でじっとりと濡れていた。
「……はぁ、っ……」
身体が熱い。
頭が痛い。
寒気がするのに、汗が止まらない。
「……仁……」
助けを呼ぼうとした声は、誰にも届かなかった。
「ただいま」
事務所の扉が開く。
戻ってきた仁は、室内を見回した。
「……瑠衣?」
返事がない。
机の上には、途中まで進められた資料。
そして、床に落ちた端末。
「……おい」
嫌な予感がした。
壁際へ視線を向ける。
「瑠衣!」
ソファの影に倒れ込んでいる瑠衣の姿があった。
「おい、どうした!」
すぐに駆け寄る。
「……っ、じん……?」
瑠衣が薄く目を開ける。
「瑠衣、聞こえるか?」
「……あつ、い……」
「熱があるのか?」
「……うん、なんか……身体、だりぃ……」
声がかすれている。
額に触れた仁は、思わず眉を寄せた。
「……熱いな」
「……へへ、そうか?」
「笑ってる場合か」
瑠衣の額には汗が浮かび、髪も湿っていた。
「立てるか?」
「……ちょっと、無理……」
「分かった。動かなくていい」
仁はすぐに杖道へ連絡した。
「瑠衣!」
戻ってきた杖道は、床に横たわる瑠衣を見て足を速めた。
「どうしたんだ?」
「高熱だ。かなり具合が悪そうだ」
「そうか……」
杖道は瑠衣の様子を確認し、体温を測る。
「……これは、すぐに診てもらおう」
「うん……」
瑠衣は目を閉じたまま、小さく返事をした。
「瑠衣、聞こえるか?」
「……おっさん?」
「ああ。私だ」
「……ごめん、仕事……」
「仕事のことは考えなくていい」
「でも……」
「いいから休みなさい」
杖道の声は穏やかだったが、有無を言わせない響きがあった。
仁が冷たいタオルを用意する。
「瑠衣、額に置くぞ」
「……ん」
そっと額にタオルが触れる。
「……気持ちいい」
「そうか」
「……仁」
「なんだ」
「ありがとな……」
「礼はいい」
仁は短く答えた。
瑠衣は少しだけ眉を寄せる。
「……っ、う”,,……」
「まだつらいか?」
「……頭、いた……」
「そうか。無理に喋るな」
杖道が二人の様子を見守りながら、受診の準備を進める。
病院で診察を受けた瑠衣は、そのまましばらく事務所で安静にすることになった。
ベッドの上。
熱でぼんやりした瑠衣は、隣に座る仁を見上げる。
「……仁」
「なんだ」
「帰んないの?」
「帰らない」
「……おっさんも?」
「ここにいるぞ」
反対側から声がする。
瑠衣は少しだけ目を細めた。
「……そっか」
「何か欲しいものはあるか?
買ってくるが」
「……今はいい」
「そうか」
短い沈黙。
やがて瑠衣が、小さな声で呟いた。
「……二人とも、いてくれてよかった」
仁は一瞬だけ視線を落とした。
「当たり前だろ」
杖道も穏やかに頷く。
「ああ。私たちは仲間だからな」
瑠衣は安心したように目を閉じた。
「……おやすみ」
「ゆっくり休め」
その寝顔を見ながら、仁は静かに息を吐いた。
いつも騒がしい事務所が、今日は少し寂しく感じられた。
コメント
3件
うわあ、瑠衣さんが倒れちゃった…! 普段あれだけ元気な人が弱ってるところを見ると、逆に心配になっちゃうな。仁さんの「帰らない」の一言がすごく良かった。短いけど、ちゃんと想いが伝わってきた。あと杖道さんの「仲間だからな」も温かい。この三人の絆がしっかり描かれていて、じーんと来たよ。次が気になる!