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太宰さんと付き合った。
つい先日に。
探偵社員には云っていない。
秘め事が出来てしまった。
でも……
「敦く〜ん♡」
太宰さんが語尾にハートを付けてくるようになった。
別にいいけど、皆の前ではやめて欲しい……
「ねぇ敦君、こんなだるーいお仕事より」
「私と心中しないかい!?」
「敦に何吹き込んでんだこの包帯無駄遣い装置!」
「黙って仕事しろ〜!」
「妾の実験台になってくれる様だねぇ?」
敦は探偵社では可愛がられている方なので
上から順に国木田、乱歩、与謝野達から
厳しい言葉が飛び交う。
「もぉ〜探偵社諸君は厳しいなぁ〜」
「太宰さんが悪いと思うんですけどね……」
「敦君まで!?」
ガーンと云う効果音が聞こえる。
あはは……と苦笑いする敦。
なんとまぁ微笑ましい光景だろう。
探偵社員達にとっては。
「ねぇ敦君、うずまきにでも行かないかい?」
「仕事は終わったんですか?」
「この通り!」
「!」
あの太宰さんが仕事を終わらせている……!
珍し過ぎる……
こういう時は誉めないと。
「凄いですね……!」
「終わっているのなら行きましょうか」
「やったぁぁぁ!!」
嬉々とする彼はまるで子供の様だった。
(一寸可愛いかも……)
「はぁ〜!相変わらずここの珈琲は美味しいねぇ〜!」
「ですね〜!」
「そう云って頂けて光栄で御座います」
「あれ?今日はルーシーさんいないんですね」(呼び方分かんなぁい……)
「休暇です」
「ルーシー……あの髪が紅い子?」
「そうです」
「そういえば組合と戦ったこともあったねぇ〜」
「もう忘れたんですか……?」
「私は敦君にしか興味無いのだよ!」
「あはは……」
「御二人は仲がよろしいんですね」
「あぁ!私達は愛し合った仲だからね!」
「愛し合った……?」
「最近寒くなってきたねぇ……」
「そうですね……」
白い息を吐きながらそう呟く。
「太宰さん、そんな薄着でよく外歩こうと思いましたね」
「正直すっごく寒いよ」
「けどね、これはとある計画があってやったんだ!」
「計画?敵襲とかですか?動き易く……」
「そんなんじゃないよ!?」
「じゃあ……」
太宰さんは僕の言葉を遮る様に覆い被さってきた。
そして……
唇に当たる柔らかくて暖かい感触。
そう……
接吻をして来た。
「!?!?!?」
いきなり過ぎて驚いた。
しかも舌を入れてきた。
「んっ……」
変な声が出てしまって恥ずかしい。
だんだん苦しくなってきたので背中をトンッと叩く。
そうしたら口を離してれた。
「っ……何するんですか!!!???」
恥ずかし過ぎてヤバい。死んじゃう。
「あっはっはっ!どうだい?暖まっただろう?」
「あ、あああ暖まりましたけどっ……!!」
上手く言葉を発せられない。
「ふふっ接吻は初めてじゃないだろう?」
「そうですけどぉ……!」
「さぁ、もう暗い、帰ろう?」
「うぅぅぅ……」
「…………あれ……?」
少しだけ見えた。
太宰さんの耳が真っ赤だったのが。