コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「」雲雀
『』セラフとかアキラとか
[]モブ
セラフ視点
それからはいつもの俺らだった。
笑ってふざけて、奏斗の話を一切せずに時間は過ぎていった。お金はまぁまぁあるけど、一応野宿とかして、場所とか特定されないようにした。
俺ら全員裏の人間だったからそんな生活は余裕だった。余裕に過ごして、誰もいないところで死んで終わり。だったはずだったのに。だったはずだった。
『待って。警察来てる!!逃げないと!』
俺は焦って言った。
『本当ですか!?ここまで来たのに、、。早くいきましょう!』
凪ちゃんも焦っている。なのに、なのに。雲雀だけは諦めて顔をしてた。
「俺が呼んだんだよ」
雲雀の口から流れるように溢れた一言が俺らからみたら信じられなくって。
『は!?なんでだよ!!!一緒に死ぬんだろ!?』
つい、俺は雲雀の胸ぐらを掴んでしまった。
「死ぬよ。俺はね」
『なっ何を言ってるんですかたらい。私たちだけ置いてくなんて言いませんよね?』
ひどく動揺している凪ちゃん。警察ももうすぐ来てしまう。
「アキラは鋭いや。その通り。お前らは生きて」
『は!?雲雀を見殺しにしろってか!?』
「そう言うことになんね」
[いたぞ!!行方不明だった3名だ!!]
もう声が聞こえる範囲にいて、姿も見えてる。
『雲雀。行くよ!!』
「は?」
雲雀の手を握って走り出す。凪ちゃんもそれに伴って走り出した。
森の中を掻い潜る。どこにいるかなんて知らない。でも走る。
『凪ちゃん!大丈夫!?』
転んでしまった凪ちゃんのもとに行く。
『すみません。足捻挫しちゃいました!』
『ッ!ほら!行くよ!』
凪ちゃんを担いで、雲雀の手を握って走る。俺が俺は!雲雀だけなんて未来にさせない。死ぬ時は俺ら一緒だよ。
目の前は崖。走った結果がこれだ。もう後ろには警察が来ていて、もう逃げ場などない。
『死のう。ここでみんな仲良く首を切ってさ!』
服の中から常備させてるナイフを取り出す。
『そうですよ。たらいだけなんて許しませんよ?』
「お前らは優しいね」
雲雀がそう呟くと。
ナイフを握って、俺の首に当てた。
「動くな!!!!!」
雲雀の大きい声に。圧倒された警察。
「少しでも動いてみろ。こいつの首を掻っ切ってやる」
警察は動かない。でも余裕こいてるように思えた。『そんなことできない』と。
「できないとでも思ったか!?は!笑えてくるぜ!お前らは俺のこと調べなかったのか!?こいつらにも言ったことはないが、俺は怪盗一家の跡取りだよ!」
雲雀は悪役のように嘲笑う。
「厨二病とでも思ったんだろうな!見せてやるよ。ほらな?」
雲雀は奏斗の愛銃を取り出した。あいつが好んで使っていた銃。
それをみた途端に警察の目は変わった。銃を取り出したんだ。
[動くな!!]
「は!こっちが動くなっつってんだろうが!?黙って従ってろよ!!」
『雲雀。もうやめようよ。投げ出したっていいんじゃない?捕まったって、俺も自首するから。たくさん人を殺してしまったんだ。死刑だろうね。なら一緒に死のうよ』
俺は雲雀にしか聞こえない声量で呟く。
「何言ってんだよ。お前らは生きろ。だってなんも悪いことしてないもんな」
小さな声で言う雲雀。
「お前らは生きろ!!アキラとセラおは生きて、生きて、生きて、生きて、そして死ね!!」
俺のことを突き飛ばした雲雀。転げ落ちた俺は。すぐに立ち直り雲雀を見ると。
奏斗の愛銃を頭に突き出してた。
『やめろ!やめてくれ!!』
『やめてください!!お願いですよ!なんであなただけ、、、!!』
俺らは叫ぶ。雲雀の元へ行こうとした瞬間。
「ありがとうな。俺、犯罪者なのに幸せな人生だったよ。お前らと出会って人生変わった。ありがとう。お前らは幸せになって死ねよ。じゃあな」
雲雀の最後の言葉。雲雀っぽくて雲雀っぽくない。
バァンという耳慣れた音と共に雲雀と一生の別れを告げた。