テラーノベル
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秋も深まるある日、教室の昼休み。
ももはお弁当のふたをパカっと開けた。
「今日の主役はこれ!明太子バターだよー!」
「なんだそれ……ただの明太子とバターを混ぜた
だけじゃん」
「ちょっと待って、ナオト!これが最強においしいんだから!」
エレナも興味津々で近づく。
「わたしも食べたいデース!」
しかし、ももは突然、得意げに話し始める。
「明太子バターはね、超簡単なのに味はピカイチ!ご飯が無限にいけちゃう魔法の調味料なんだよ!」
ナオトは半半疑。
「魔法って……」
すると、ももはおにぎりを作り始める。
「はい、ナオトの分も作ったから、食べてみてよ!」
ぱくっ。
ナオトの目がぱっと輝いた。
「う、うまい……!これ、本当に魔法かもしれない!」
その時、教室の入り口から静かに、しかし確かな存在感で歩み寄るのはーー
「それ、ちょっと待ってください!」委員長の新潟さんだ。
「明太子バター?それ、正しい食べ方じゃありません!」
「えっ、委員長!?なにそれ!」
「明太子はそのままか、シンプルに食べるのが一番なんです!」
ももは、ちょっと負けじと胸を張る。
「でもこれ、めっちゃ美味しいんだってば!委員長風じゃなくてもいいじゃん!」
新潟は真剣な表情で言う。
「食文化は大事にしないと……私、みんなに本当の明太子の味を知ってほしいんです!」
エレナも興味津々。
「なら、わたしも試してみたいデース!」
こうして、ももチームと新潟委員長チームで“明 太子対決”が始まるーー?
教室の隅に設けられた “明太子対決コーナー”には、ももチームの明太子バターおにぎりと、新湯委員長が持ってきたシンプルな明太子おにぎりが並ぶ。
「さあ、審査員のナオト、どっちが美味しいか判定を頼むよ!」
「え、俺?プレッシャー……」
ナオトは緊張しながら、まずももの明太子バターおにぎりを一口。
……うん、バターのコクがあって、なかなかイケる:」
続けて新潟委員長の明太子おにぎり。
…….こっちは明太子の旨味がストレートに味わえて、すごくさっぱりしてる!」
「どっちも美味しいってことじゃん!」「そう!どっちも正解!これが食文化の多様性だね!」
みんなが笑顔になり、教室はほんのり温かい空気に包まれた。
「ナオトくん、次は何の対決する?」ももがワクワクして聞くと、
「いや、もうやめようぜ…….」と呆れながらも笑うナオトだった。
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