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冬の寒空の下、木枯らしに吹かれながら冷たいアスファルトに横たわる親友は。


薄く僕に微笑んだように見えた。


パトライトを後目にサイレンの音を聞く。


気づいた頃には無数の管に繋がれた親友が真っ白なベッドで死んだように眠っている。


変わり果てた親友の姿を呆然と眺めた。親に引きずられるようにして家路につく、外の冷たい風が次々に突き刺さる。


家に帰ってから、俺はしばらく引きこもった。学校にも遊びにも、部屋からだって一歩も出ない。


あいつが元気に、笑顔で迎えに来るまではここをでるつもりなんてない。


引きこもってから暫くしないうちに、部屋のドアの外から何やら音がするようになった。


チリンチリンとなる鈴の音。愛猫のアオだ。


俺が中学の頃に親友が、昊が拾って来た。


マンション住まいのくせに猫なんか拾って、おばさんに怒られて家に連れてきた。


青い目をしたアメリカンショートヘアーの仔猫。


今年でようやく2歳になる、俺と昊とで選んだ首輪、迷子にならないようにと、ご丁寧に水色の鈴までつけた。


アオを部屋の中に招き入れ頭から尻尾までをキレイに撫でる。するとアオはゴロゴロと喉を鳴らしてもっと撫でろと言わんばかりに俺の膝によじ登る。


それからアオは毎日オレの部屋に来るようになった。


まるで俺を慰めるかのように。


そしてアオが俺のスマホに近づくと決まってバイブしたように聞こえる。


だが確認してみると通知はない。そんなことが毎日続き、気になって調べてみると「ファントムバイブレーションシンドローム」というらしい。

ファントムバイブレーションシンドローム〜君に宛てたメッセージ〜

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