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「なんだこの字面。イカれているのか。」で窒息しそうになりました。文才が羨ましい…
尊い、、、謎しかないが尊いのは分かる、、、続きが見てぇ、、、!
どうも皆様、サカナです
書きたい欲を抑えきれませんでした
巨女ライヒと鳥公オムスク、それに巻き込まれるロアノークコロニー…良い気がする
メインカプのオムスクバード×ライヒタングルが話さないので、致し方なく普通におしゃべりしていただきます
追記 ルビ楽しいことに気がつきました
ある時、オムスクバードは困っていた。
何に困っていたかと言えば、ヤク中鳥にしては珍しいことに恋の悩みだ。
オムスク「…あの巨女、どうやったら俺に落ちるんだ?」
彼の言う巨女とは、第四帝国ことライヒタングルのことである。
背も胸もでかい彼女は無口で、何を考えているかわからない。
ポーランドやオーストリアなどを見つけては(物理的に)食い漁り、血塗れで歩いている姿もよく見かける。
そんな物騒な女に、このオムスクバードは恋をした。
オムスク「あいつに頼ってみるか…なんかカッコイイし」
そう言うと、オムスクバードは「ロアノーク」と呟く。
呟いたと同時に、背後から禍々しい気配がし始める。
「Ç̸͚͔̺͔̫͐̾͆̌̅͂͠Ŕ̷̺͉̹̣̙͓̫̱̤̀̃̋̀͊̐̒̈́O̸̯̽͛̀A̵̗͔̟͆̾̈́̍͆͐̕T̸̖̗͕͓͂̉̽͊̕Ȯ̸̱̯͇̯̺̲̪̤̏͂̌͂̒͝A̶͉͗͋͂̂̽Ṉ̷̜̺̒̚」
ゲームのバグのようにブレた声だ。
一般の国々からすれば、この声は死を表すも同義。
だが、オムスクバードには関係ない。彼もまた、そのように恐ろしい存在のひとつであるからだ。
オムスク「よう、ロアノーク」
ロアノーク「…なんだ、オムスクバードでしたか。不用意に呼ばないでくださいって、前も言いませんでしたか?」
振り返れば、左半身の一部と両目がない、イングランドそっくりの青年がいた。
彼こそ、オムスクバードが頼ろうとしたロアノークコロニーそのものだ。
先ほどのブレた声とは違い、時々ぐちゃっと聞こえはするものの、普通の声になっている。
オムスク「今回は無駄に呼んだわけじゃねえよ。俺の相談に乗りやがれ」
ロアノーク「はぁ…それがヒトにものを頼む態度ですか」
オムスク「人間のルールなんか知るかよ。俺様は鳥だぞ」
ロアノーク「面倒なヒト…いえ、鳥ですね。もうなんでもいいので、用件を話してください。僕にできることならしてあげるかもしれませんよ」
目がないのになぜわかるのか、ロアノークはカフェを指差した。
鳥の化け物とグロテスクな人間もどきが、おしゃれなカフェに向かう。
この時点で既に問題しかなかった。
ロアノーク「…それで、あなたの相談ってなんでしょうか?とうとう皮膚でも溶けました?」
オムスク「いや、俺は溶けても平気だ。毎回そのうち治ってる」
ロアノーク「あ、既に溶けていたのですね」
辺りで恐怖による悲鳴が上がっているのに、2人…否、1人と1羽はカフェに居座る。
雰囲気の良い落ち着いたカフェは、一瞬で阿鼻叫喚の地獄絵図だ。
全員が全員避難してしまったので、ロアノークたちは何を頼むこともできずに店を借りた。
借りたというか…勝手に全員いなくなっただけだが。
ロアノーク「それではなんでしょうかね。ロシアが殺せないとかですか?それともジャパニーズに焼かれかけました?第四帝国にでも負けましたか?」
オムスクバードが悩みそうなことを一通り並べるものの、どれも納得がいかない。
殺気立っている風ではないし、一体何があったというのだろう。
オムスク「…それがよ、その…長方形頭の巨女に惚れた」
ロアノーク「…………?????」
虚空を知るロアノークコロニーとて、このヤク中が女に惚れるとかいう意味のわからない状況になっているとは知らなんだ。
しかも、その特徴的にライヒタングルだということがいやでもわかる。
ハテナを浮かべるロアノークをよそに、オムスクバードは続きを語った。
オムスク「いや、俺もよくわかんねえんだけどさ…前にライヒが石ころに躓いて転んだんだよ。起きたかと思ったらべそかいてるし。なんか…こう…Я подумал, что это м 」
ロアノーク「…あの、追加情報まだいらないです、整理が追いつきません。殺しますよ」
オムスク「お前も物騒な野郎だな。話くらい聞けよ」
右腕で顔を押さえたかと思えば、ロアノークは賢い頭をフル回転させて思考する。
オムスクバードが、ライヒタングルに惚れた
なんだこの字面。イカれているのか。
頭が痛くなってきたロアノークは、いよいよ帰りたくなった。
ロアノーク「…左耳が機能していないせいか、聞き間違えたようです。もう一度話していただけます?」
オムスク「だから、ライヒタングルのやつに惚れた。何回も言わせんなよ」
ロアノーク「聞き間違いではなかったか…」
いよいよどうしようかとロアノークも悩み始めたが、オムスクバードの目は真剣そのもの。
生態はともかく、恋に悩むとはまだまだ可愛げがあるじゃないか。
ロアノークはそう思い直すことにして、とりあえず相談だけは受けることにした。
オムスク「で、まああいつ無口だろ?何かやるにしても好み、てかそもそもどこまでセーフかわからねえ」
ロアノーク「確かにそうですね…彼女が好きなものといえば、ポーランドやオーストリア、ドイツ帝国、カントリーボールとかでしょうか…ドイツ帝国は家族なのでノーカウントとしても、食べることばかりです」
オムスク「他国にばっか目ェ向いてんの気に入らねえ」
ロアノーク「食料はセーフにしましょう?嫉妬深い男は嫌われますよ」
頬杖をつくオムスクバードを宥め、ロアノークはライヒタングルについて考えてみる。
ここにいる1人と1羽と同じくらい謎が多いのに、彼らより口数が少ない。
「Guten Tag」や「Anschluss」としか話さないのだが、ドイツ帝国だけはなぜか翻訳できている。
よって、何もわからないのだ。
オムスク「いっそ無理矢理襲って…」
ロアノーク「絶対嫌われますよ」
そんな会話もありつつ、ロアノークとオムスクバードは頭を抱え、しばらくカフェを地獄絵図にし続けた。
一方その頃、独逸家では…
独帝「…え、このグロいクーヘンをオムスクバードにあげたいから、ロシア帝国を呼んでくれって?」
ポーランドボールやロシアボールの肉片が混じったケーキを持って、ライヒタングルは頷いた。