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「もし――エルヴィンさんが嫌でなければ、聖獣騎士として覚醒しませんか」

気を悪くさせないよう、できるだけ真剣に。

圧を与えないよう、穏やかに。

(――言ってしまった)

そう思う一方で、ヴァレナは後悔をしていなかった。

悪い結果にならない自信があった、というわけではない。

自信があるとかないとかではなく――言うべきことだと、思ってしまったからだった。

そんなヴァレナの意思が伝わったのか、一瞬エルヴィンは目を見開くが――

「急にそんな申し出をした理由は?」

なぜかイタズラ好きの少年のような顔で、ヴァレナに先を促した。

エルヴィンの心情などわかるはずのないヴァレナは、言われた通り続けるしかない。

「…*****

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