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…………僕は、死にたかったんだ。
退屈な学校、やる事なす事全てに口を出してくる親、そんな親に表向きは従順なふりをしながら裏では文句しか言わない自分。
凄く苦しいのに、命を経つ勇気も、ましてや腕を切る勇気すらも…ない。
僕は…こんな自分が、世界で1番大っ嫌いだ。
「………疲れた。」
僕は今、宛もなく町をブラブラとしていた。
僕なりの、ささなかな反抗心である。あわよくばこのまま死ねたら……なんて、どうせ無理だろうけど(笑)
そして、橋にさしかかった。
流れる川の水がとても綺麗で、ぐちゃぐちゃな僕の心とは反対側のような…そんな感じがして、無性に辛くなった。
「僕は…どうしてこんなに出来が悪いんだろう……。
もうやだ…誰か……僕を殺してよ………」
……そして橋に足をかけて飛び降りようとした時、後ろから声をかけられたんだ。
「ねぇ君、そこで何をしているの?」
ビクッとして思わずかけた足を戻してしまう。
「あ…いや、ちょっと…何か落とした気がして……」
咄嗟に口から思いついた事を言って振り返る。
そこにいたのは、1人の女性だった。
流れるような白髪に綺麗な赤い瞳。白髪に少し混ざった黒髪と、白い肌。
…僕が今まで見てきた中で、1番綺麗かもしれない女性が、そこにいた。
「そうなんだ。」と微笑みながら彼女は言った。
「私、プロイセン。君は?」
「僕は…ロシア帝国。」
「そっか。よろしくね?ロシア帝国」
………そう言って微笑む彼女を見た時、僕の心臓がドキッと落ちた気がした。