あれから6年後、
僕は地元の中学を卒業後、高校に進学し、大学にも進学することができた、流石に春から大学生ということもあって、そろそろひとり立ちしないといけないと思い、アパートの一部屋を借りた。
荷物はもう向こうの家に全部ある、はじめての一人暮らしからの心配か、実家から徒歩30分程度の場所のアパートを借りた、
いや、正確には、心配性お母さんに強制された、だな
まぁでも、最悪食うに困っても実家に簡単に立ち寄れるし、大学との距離もそんなに離れてないからよしとしよう。
それにお母さんが弁当を作ってくれるらしい、家から実家まで歩いて取りに行くのは良い運動にもなる、今日は、僕のアパートに引っ越す日だ
ショウカをどうするか悩んだが、ショウカは僕に懐いているようだし、僕が家で飼うことにした、
でも、バイトや学校の授業もあるから、ショウカは、お母さんからお弁当を預かるついでに引き取ってもらい、学校帰りに回収することにした、
お母さんは基本家での仕事の為、ショウカの面倒もある程度は見ることができる
『じゃあ行ってくるね、母さん』
『うん!いってらっしゃい、明日入学式でしょ、遅れないように早く寝なさいよ、』
『はいはい、わかってるよ、心配性だなぁもう』
『ちゃんと道わかってる?迷子になったりしない?』
『大丈夫だって、子供じゃないんだから』
『ショウカを夜外に出さないようにね、最近夜遅くにショウカが家を出るのよ、帰ってくるからいいんだけど』
『大丈夫だよ、ちゃんと面倒見るからさ』
『じゃあ、行ってくるね』
『いってらっしゃい….』
今日は実家からアパートまでの道を覚えるために、ショウカと散歩することにした、お母さんが心配するように、僕は昔から方向音痴た、だから、しっかり覚えないと……
そろそろひまわり公園だ、
ひまわり公園と書いてありながら、ひまわり以外にも様々な花がたくさん生えているのだ
昔、まだ幼稚園児の時、ショウカと二人でよく遊んだ公園、
懐かしいなぁと思い出に浸っていた
その時
『にゃーーーーーーーー!♪』
『うわっ!』
ショウカが走り出したのだ、とてつもない力で僕のことを引っ張る、非力な僕じゃあ抵抗もできない
『コラ、ショウカ、、そっちはアパートじゃないだろ』
そう、ちょっと怒ってもショウカは止まらない、
そして、、数分間の激闘の末、僕はショウカに公園へと引っ張り出された
いつもショウカとの散歩では、ここを通って、たまに遊んだりもしている
(遊びたいのかなぁ)
『もうしょうがないなぁ、遊んでやるから、でも、遊んだらアパートに向かうからな』
そう言うと、ショウカはすごく嬉しそうな顔で僕の指を甘噛みした、
ショウカは嬉しくなると、僕の指を甘噛みするクセがあるんだ、僕はその度に手を洗わないといけないから困ってるんだけどね
どの遊具から遊ぼうか、平日の午前中だったため、人はほとんどいない、だから、どの遊具でも遊べた
ショウカは僕のリードを引っ張る、シーソーの目の前で止まった、シーソーで遊びたいみたいだ
僕が片側に乗って、ショウカがもう片方に乗る、
僕がまずはショウカの側をあげる、
とっても楽しそうだ
次に僕が上がろうとした、すると、ショウカはゴロゴロと転がって後ろに転んでしまった、
『ははは、ダメじゃないか、ちゃんと手すりをつかまないと落ちちゃうよ』
そう言うと、ショウカは怒ったような顔で僕の指を強く噛んできた、おいおい理不尽だろ
僕らはシーソーでもう一度遊んだ、今度は落ちなかったようだ、ショウカはとっても楽しそうだ、
その後は、滑り台でも遊んだ、僕の上にショウカが座って、一緒に滑るんだ、
公園で鬼ごっこだってやった、
そして僕の気づかぬ内に、子どもたちが増え、帰っていき、5時のチャイムが鳴って、僕は、自分が公園で遊びすぎたことに気がついた
そろそろアパートに行かないといけない
『ショウカ、もう気づいたら5時だよ、早くアパートに帰らないと』
僕はショウカのお腹を持って持ち上げた、そしたら、まだ遊びたそうに手や足をブンブン振り回すものだから困った、一旦ショウカを地面に降ろした
ショウカは、ブランコの方へ、一歩、二歩踏み出し、僕の方を向いてきた
『もうしょうがないなぁ、じゃあ最後ブランコで遊んだら、アパートに行くからね』
『にゃーーーーーーーー!!』
そう放ち、また僕の指を甘噛みしてきた、
ブランコで遊んだ、僕が片側に、ショウカも片側に、ショウカはブランコをスイングしたりしないのだが、乗っているだけで楽しいらしい
はぁ、怒られるんだろうなぁ
そう思っていたら、ショウカが花畑へ突っ込んでった
『ショウカ!そろそろ帰らないと大家さんに怒られるだろ!』
軽く声を荒げた、今日のショウカはなかなか言うことを聞いてくれない
でも、ショウカはなかなか出てこない、
数分経って、やっと花畑からでてきた
『遅いよ、ショウカ、ほら、早く大家さんの所行かないと』
、、、、
『何を咥えてるの?ショウカ?』
ショウカが咥えてるものは、おそらく花輪だろう、僕は生物学科だから植物にもある程度精通しているしている、所々花が枯れているため、推測ではあるが、おそらくキキョウだろう
途中からなんとなく思っていた、
忘れもしない日だ、
あの日と順序が全く同じなのだ、
『昇華?』
そう言うと、ゆっくり僕の猫は首を縦に振った
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