友達が欲しい……..
僕が幼い頃、たった一つだけの望みだった、
友達が欲しかったんだ
毎日そう思う、たったそれだけ
バン!!!
大きな音とともに
『帰ったぞ』
酷く不機嫌そうな声だ、お父さんが帰ってきたんだ
大体今は午前の3時だ、
『腹が減った、飯はまだか!』
父さんが怒鳴り散らす
僕に問いかける、母さんは今日出張の日だ
僕は殴られる、蹴られる、
父さんが帰ってくるまでに夕飯を用意できなかった
これが普通なんだ
僕が悪いんだ……
数十発殴られた、父さんはリビングに行って、タバコを吸い始めた
『とっとと飯作れや』
父さんは僕にそう言い散らす
僕は『はい、、、』と、答えることしかできない
数十分してご飯が出来上がった、
ご飯を作るのが遅いという理由でまた殴られた、
今度は首か、結構痛い、、、、、
『不味い、』
『味噌汁が薄すぎるんだよ、そう言って味噌汁の入っている鍋を僕に向けて投げつけてきた、そして殴られた、蹴られた、、
『もう飯は要らない💢、まずすぎる、外で食ってくる、部屋を掃除しておけ、』
そう言い残して、父さんは家を出て行ってしまった、体中が痛い、でもこれは、父さんを満足させられなかった、
僕が悪いんだ
『お腹、、、すいた、、、、』
父さんはもう2日も帰ってきてない、僕は家の水道水を飲んで生き延びていた、
『ガチャ』
『ただいまー』
この声は、母さんだ!
温かいご飯を食べた今日も僕は生き延びることができた
お父さんはいつも、キャバクラ?とか、ギャンブル?とかで家に帰ってくるのがいっつも夜中なんだ、そして、昼になると起きて、用意された昼ごはんを食べたらすぐに家を出て行ってしまう
三日後、
今日は僕の誕生日、今年もプレゼントはないんだろうな、あったとしても、お父さんに壊されて終わりだ、
朝起きる、お母さんががいる、今日は土曜日、お父さんはまだ寝ている、
『今日は水城の誕生日でしょ』
不意に母さんから言われたその一言、
『う、うん』
そう返事した、すると
『今日はね、水城の誕生日プレゼントを持ってきたんだー』
『本当に!やったー!』
大きな声というわけではない、すごく小さな声でそう言った、大きな声を出して父さんを起こすと、また殴られるからだ
来週の月曜日から幼稚園に行くことができる、友達ができるんだ、
家の中だけだった世界が、広がったような気がした
『はーい、みんな聞いてー!今日から、新しいお友達が来ることになりました〜!』
『立花水城くんです』
みんなから笑顔で迎えられる、おんなじ歳くらいの人たちが笑顔で僕を迎えてくれる、
『じゃあ、空いてる席は、あそこかな、じゃあ水城くんは昇華ちゃんの隣に座ってください!じゃあ、朝の会を始めます』
幼稚園はとても楽しかった、まずみんなで塗り絵をした、隣のしょうかちゃんと見せ合いっこした、次は校庭で遊んだ、とても楽しかったんだ
そのことをお母さんに話した、お父さんは今日も家にいなかったから、今ならたくさんお母さんに楽しかったことを話せる
でも、遊んだだけで、友達を作れたわけじゃない
しょうかちゃんと友達になりたいなぁ
コメント
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今回は短めです、7話は長めになるかもです