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「よっこらしょ」
掛け声とともにゼルダは膝の上でラウスを横抱きにした。乳房と戯れているラウスの上半身を片腕で支えてやり、もう片方の手でラウスの陰茎を探ってやる。陰嚢から裏筋を通って先端まで指先で優しく撫でてやると、ラウスが軽く痙攣した。
陰茎を摘んだ手が根元に向かって下ろされると、皮が剥かれ、ラウスの先端が剥き出しになった。
「んんっ。ふうん」ラウスが小さく喘ぐ。
「スマン。痛かったか?」
「ううん。大丈夫です」
ラウスが乳首を口に含み、舌で先端を舐める。
「んっ」今度はゼルダの体が反射的に跳ね上がった。
「ごっ、ごめんなさい。痛かったですか」
ラウスが心配そうに見上げる。
「違う。そうではない」ゼルダが恥ずかしそうにそっぽを向いた。「その……随分とご無沙汰だったからな……その……なんだ……少し感度の敷居がな……」
「気持ちよくなってくれたってことですか?」
「ま、まあ、そういうことじゃ。それよりな」ゼルダの声音が変わり、秘密を告白するような口調になった。「もう少し強く吸ってごらん。面白いことになる」
ゼルダにそう言われて、彼女に抱かれたままラウスは胸を吸い続けた。
「はっ、ううん。ふっ、くぅん」
時折、魔神が甘い声を発し悶える。そして−−
「んふっ、そろそろかな……」
ゼルダの一言とともに、ラウスの口の中に甘いほとばしりが広がった。
「こ、これって……」
味、匂い、舌触り、食堂で出されるミルクそのものだった。
「昔、どこぞのバカ貴族に飼われていた時があってな、その時に身体を弄られた……」ゼルダが遠い目をした。「魔力と引き換えに乳が出る体にされてな。何とか自由の身にはなったが、こんな体じゃ。世の男どもはドン引きするか好奇の目で見てくるかのどちらかでな。全く因果なもんじゃて」
ゼルダが言葉を切る。
「だがなぁ。親に棄てられた赤ん坊を世話する羽目になった時は、この体が役に立ってくれた。フフン。世の中判らんもんじゃな」
「どうして、僕にそんな話を?」
「なぁに。一緒に暮らしていれば、その内お互いの嫌なところやおかしなところも見えてくるじゃろう。先ずは1つ目じゃ」
ああ、そうか。この女性は僕を信用してくれたんだ。
そうでなければ、出会って直ぐの相手に、自分の触られたくない過去を晒すことはすまい。
この女性は強い。
運命に翻弄されながら、自分を曲げず、心を折らず、不平等な運命の神を前にして、這いつくばることを由とせず、戦うことで自己主張してきた古強者だ。
僕とは、まるで逆の生き方だ。
そんな彼女に対して……僕は……僕は
「あのっ、僕っ」
ゼルダに抱かれたままのラウスが口を開いた。
「何じゃ?」
「ドジで間抜けで役立たずで……」
「それはアイツ等が言っていたことじゃろ?ワシに言わせりゃ、奴等の方がドジで間抜けで役立たずな社会のゴミじゃよ」
「忘れっぽくて……」
「これからはメモ帳を持って歩けぃ」
「弱くて、根性無しで……」
「実力が付けば、度胸も身に付く、先ずは鍛錬じゃ」
「……」ラウスが黙る。
「ほれ、もう終わりか?もっと無いのか?」
ラウスの目尻に涙が溜まり始めた。
「僕、自分でもっ、自分のこと大嫌いでっ、ううっ、毎日が嫌でっ、ヒック、それでも生きていかなきゃいけなくて……」
嗚咽しながらラウスが独白する。
「そうじゃよ。生きるってことは大変じゃが大切じゃぞ。生きるための努力を、簡単に投げ出してはいかん」
ラウスの背中をさすってやりながらゼルダが言う。その言葉の半分は、自分自身に向けられた物だったのかもしれない……
「もう、自分でも情けなくて、消えて無くなりたい……ううっ、うぐっ、ひっく」
「うんうん。今まで辛かったのぉ」
泣き出したラウスを豊満な胸で受け止めると、ゼルダが言った。
「じゃあ、その情けない奴を、今からワシが全部まとめて預かってやるから、安心せい。もう消えて無くなりたいなんて考えるなよ。いいか?」
ゼルダの胸の中で、泣きながらラウスが頷く。ゼルダの言葉と温かい抱擁で、ラウスが今まで必死に押さえ込んできた感情が、堰を切って溢れ出した。 その時、彼が小さく発した言葉をゼルダは聞き留めていた。
……お母さん、か。
ひとしきり泣いたラウスは、そのまま泣き疲れて寝てしまった。自分の横で静かな寝息を立てているラウスを見て、ゼルダは思った。
まったく、可愛い顔して寝おってからに…… 契約の義は、また今度じゃな。
部屋の天井を見上げると、ゼルダは溜息をついた。
さて、明日から忙しくなるぞ。