月夜に咲く花のように散った彼女の想いは、 もう届かない場所へと消えてしまった。
だから僕は……君を選んだんだよ。
君は僕にとって、唯一無二の存在だからね。……そうして、彼女は……
ただの肉塊となったのだ。………………。
そして私は、彼によって生み出された。
私の中に、彼の意識が入っている。
これが……私の正体なのか? いや、これは私が望んだことじゃない!……こんなことを望んでいた訳じゃ……。妄想の世界で、君が何をしようが自由だ。
ただし、私の邪魔をするならば容赦しないぞ。
お前は……いったい誰なんだ!? 答えろ!! 私の名は―――…………
意識が覚醒し、 ハッキリとした思考を取り戻したとき、 最初に目に映ったのは、 涙を浮かべながらこちらを見つめている、 ひとりの少女の姿だった。
そう言って彼女は笑顔を見せる。
彼女の名前は……えっと……。
名前を思い出すことができない。
まるで霧がかかったかのように……何も思い出せないのだ……。
ただひとつだけ覚えているのは……
愛していたということだけだ。
そして……彼は彼女を殺した。
それは、私が望んだことなのだよ。
そうすることでしか、彼女を救えないと思ったからだ。
私の狂気を鎮めるためには、それが必要だったんだよ。
彼は、彼女のことを全て忘れていたはずなのにね。
君だけは彼を許してあげて欲しい。
私と違って……彼にはもう時間が残されていないから……。
この夢を見るのも久しぶりだ。
ここはどこなのか、何故ここにいるのか、何をすべきなのか。
分からないけれど、いつもと同じだ。
この先に進めば分かるはずだ。
だから私は歩き続ける。
今日もまた、この場所を訪れることになるとは思わなかったが……。
ここは相変わらず静かでいいな……。……あれ以来、ここには来ていないはずなのに。
なぜここに居るんだろう。
ああ、そういえば……
ここの景色が好きだと聞いたことがある。
いつのことだったかな。
ずっと昔のような気もするが……
まだそんなにも時間は経っていないはずだし。……思い出せないや。
もうすぐ、全てが終わるんだね。
残された時間をどう使うべきか……
答えはまだ出ていないけれど。
でも、きっとこれで良かったんだよ。
後悔はないよ。
こんな終わり方も、あり得たのか。……もう遅いがね。………………。……夢の終わり。
目を覚ました瞬間、 すべてが消え去ったことを悟る。
何もかも忘れてしまったのだとしても、 後悔だけはしていないだろう。
彼女はきっと、満足して逝ったはずだ。……そう思わねば救われんよ
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