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【冒頭モノローグ:森鴎外】
すべてを破壊し、救った者たち。
それが“英雄”と呼ばれるのか、“脅威”と断じられるのか。
私は知っている。
――秩序とは、愛の上に築けないということを。
【第一場:ポオと乱歩の「選択」】
場所:異能監察庁・特別隔離区画(旧桜の園)
乱歩とポオは、白い部屋に座らされていた。
正確には、“存在観測”と“異能抑制”が絶えず働く無重力監房。
監視官の男(無表情)
「異能融合の可能性が確認された場合、処分対象となる。
それでも、共にいると? このまま、世界を敵に回す覚悟はあるのか?」
ポオ(はっきりと)
「僕は……乱歩と、世界を選ぶ」
乱歩(肩をすくめながら)
「まったく、重てぇ愛だな。でも――受け取るよ、バカ」
その瞬間、ポオの胸ポケットにある小さなノートが震えた。
【記されていないページが、突然開く】
ページにはこう書かれていた:
「“次の災厄”は、観測すらできない」
「“君”の存在が、その鍵になる」
乱歩(低く)
「……来やがったか。こっからが、“本番”だな」
【第二場:太宰と福沢、秘密会談】
場所:武装探偵社・地下戦略室
太宰と福沢が対峙していた。
ポオと乱歩を「異能凍結」するか、「鍵として保護」するか。
福沢(厳しい表情)
「君は、どう考えている」
太宰(ゆっくり紅茶を口にしながら)
「……彼らは“世界の矛盾”だよ。でも、同時に“唯一の修正点”でもある」
福沢(静かに)
「つまり、“使う気”か」
太宰
「違うよ。……“守る気”さ。あいつらが壊した世界に、俺は賭けてみたい」
【第三場:敵の胎動――《黒翼会議》】
場所:欧州・第三深層アーカイブ
黒翼の紋章のもと、新たなる災厄の使徒たちが集結する。
登場人物:
クロウの意志を継ぐ者:《ノクト》
構成員:ミネルヴァ(記憶を喰らう少女)、ファーゼル(時を外れた異能者)、零式フョードル(複製体)
ノクト(顔のない仮面を外しながら)
「前任者は“愛”に負けた。だからこそ、我々は“感情”を排除する」
新たなる計画名:《世界遺棄計画(オーバーライト)》
目的:この世界を“記述不能”にすることで、全異能の崩壊を起こす。
発端となる異能は――
「ポオの幻想」
「乱歩の推理」
それを融合した、“真なる起点”
ノクト(静かに書を開き)
「物語が存在する限り、世界は滅び続ける」
【第四場:敦と芥川、街を歩く】
場所:復興中の横浜
戦闘の傷跡がまだ残る街で、敦と芥川は歩いていた。
その背後には、何気ない人々の笑顔がある。
芥川(ぽつりと)
「……あれが、守ったものか」
敦(微笑んで)
「そうだよ。乱歩さんも、ポオさんも……誰かの“日常”のために、あそこまで戦ったんだ」
芥川
「その“日常”が崩れたとき、俺たちはどうする」
敦(拳を握り)
「また、立ち向かう。……それが、“僕たち”だろ?」
【第五場:ポオと乱歩、廃園で】
場所:封鎖された旧中央図書館
ふたりは脱走した。太宰の仕込みだ。
ポオが乱歩に、古い万年筆を渡す。
ポオ
「……これは、“君の物語”を記すペンだよ。僕だけじゃ、完結できない」
乱歩(受け取りながら)
「じゃあ、お前の最後のページ……俺が書いてやる。バッドエンドにはしてやんねぇ」
そのとき、空が黒く割れる。
“記述されていない空”――未知なる異能が発動した。
次の敵、現る。