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最近、あることに気づいた。美幸さんの様子がおかしいのだ。気づいたのは本当についこの前で、遊園地に行ってるときだった。


「氷室くん、少し休まない?」

「いい、けど…珍しいね、てっきり僕のほうが体力無いと思ってた」

それ遠回しにバカにしてる?と頬をふくらませる彼女を見て少し笑いながら、美幸さんを影のあるベンチに座らせた。

「飲み物でも買ってこようか?」

「うーん…水分不足ってわけじゃないけど……」

けど、何?と出かけたが言うのをやめた。ここで何か言えば、この関係が崩れるような気がした。

「…まあ、それなら頼んじゃおうかな。思いっきり炭酸水飲みたいんだよね!」

お願いしてもいい?と首を傾げる美幸さんに僕は頷き、自動販売機へ足を進めた。


「炭酸水……コーラでいいかな…いや、ここはサイダーにしておこう」

そう決めて小銭を入れようとしたときだった。

「君、あの女性の彼氏さんッスか?」

ビックリして落としそうになった小銭を慌てて掬い上げる。ドッドッドッ、と鼓動が急激に加速するのを感じながら視線を上げると、サングラスを着けた、チャラい、怪しそうな人が立っていて、思わず逃げそうになった。


「あ、すみませんビックリさせちゃいましたよね、ほんとすみません」

そう言ってサングラスを外されると、その人の顔がくっきり見えた。薄く閉ざされ気味な目と、結ばれているかのように閉ざされた口、こちらを見る目はすごく鋭くて、小さく声が出た。

「……すみません、自分、目付き悪いんです。怖がらせないようにしようとサングラス付けてたんッスけど、逆効果でしたね」

「あ…いえ、何か用ですか?」

そう伝えると目の前の彼はチラリと美幸さんを見やると、すぐさま視線を僕に戻した。

「自分、朧木刹那おぼろぎせつなって言います」


これ名刺です、と言われ渡されたカードを慌てて取る。

「今から聞くことになるべく正直に答えてほしいんスけど、アンタ、彼女さんのどこまで知ってます?」

よく分からない質問の内容に首を傾げると、目の前の彼は閉ざされ気味の目を大きく開けて、数秒後にため息をついた。

青い、夏の日でした。

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