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「わかった。早速本題に入りたいのだが構わないかな?」
「う~ん、あんまり急ぐと失敗しちゃうかもよ?それにさぁ……」
「なぜそのようなことを?」
サルモンの言葉を受けて、アスラはその質問が来ることが分かっていたかのように即座に答える。
アスラ: それは簡単ですよ。私が死ねば私を含む全ての生物はこの世界から消失します。そして次の世界に転生し、新たな生命体として生まれることになるでしょう。その際に発生するエネルギーは膨大であり、それにより生じる現象もまた同様に膨大なものとなります。しかしそれでもなお足りず、いずれはこの世界のあらゆる物質が分解され始めます。つまり最終的には全てが無に帰すということですね。そうなればもうどうしようもないわけです。そこで、この世界で誕生し、生きている私たちの使命としてはなるべく早く次の世界に行くことが求められています。その為にもまずは自分を守る必要があると考えました。
ベルカ: なるほど……確かにそれは正しい判断と言えるかもしれませんね。
アスラ: それにこの世界にいる限り、私の身体は徐々に衰弱していきます。これは私が死ぬのではなく、この世界そのものが消滅する時に私も同時に消滅してしまうことを意味します。なので一刻も早い脱出が必要なんです。
ベルカ: それならもっと他の手段もあったと思いますが……例えば我々が使う魔法のような方法で保護することもできたでしょうし。
サルモン: なるほど。確かにその通りですね。