テラーノベル
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授業中に当てられるのは苦手。今日だって答えられなくて、クラスの子に笑われちゃった。
黒板の文字を消しながら、ため息を漏らす。
【今日の嫌なことが消えますように】と黒板に書いてみる。ありえないってわかってるけど。すると、黒板に黄色い文字が浮かび上がってきた。
「え⁉︎」
【全部消してあげる。だから、あなたのことを教えて】
怖くなって震える手で、【誰?】と書くと、すぐに返事が書かれた。
【話ができる特別な黒板だよ】
すごい! こんな魔法みたいなことあるんだ!
【お話ししてくれると嬉しいな】
【もちろん!】
それから私は黒板さんと話をするようになった。悩みを打ち明けると、重たい気分がなくなっている。
掃除をしながら、早くみんな下校しないかなとそわそわする。今日の体育の授業であった話を黒板さんにしたい。
「ねえ、果子。なにかあった?」
私に声をかけてきたのは、友達のみゆだった。
「え? なにもないよ」
「……なんかいつもと違う気がして」
そうかな? なにも変わっていないと思うんだけどな。
「あ、でも少し前までは嫌なことがあると引きずって落ち込んでいたけれど、最近なくなってきたかも!」
にこっと笑うと、みゆは「そっか」と言って微笑んだ。きっといい変化だよね!
放課後、いつものように黒板さんに今日の嫌なことを打ち明ける。
【大変だったね。ねえ、よかったらもっと聞かせて】
うーん。他になにかあったかな。
【あなたの名前は?】
【そういえば言ってなかったね! 私は果子だよ】
【かわいい名前だね】
褒められて嬉しくなる。もっと話したかったけれど、時間が来てしまった。
急いで黒板に書かれた言葉を消す。
習い事があるから、もう帰らなくちゃ。
翌朝、教室に着くとみゆが私のもとにやってきた。
「小テスト、今日帰ってくるらしいよ!」
「そんなのあったっけ」
「……先週のやつだよ」
ずきりと頭が痛む。先週? なにも思い出せない。
「やっぱ変だよ。忘れてること多いし」
私、なにを忘れているの?
「果子、大丈夫?」
果子って誰のこと?
……私の名前はなんだっけ?
怖い。なんでわからないの。早く。早く黒板さんに話さなくちゃ、私のことを。
大丈夫。黒板さんに話せば、この不安はきっと消える。
すると、黒板に文字が浮かび上がった。
【全部消してあげる。だから、あなたのことを教えて】
コメント
1件
うわ…これ、めちゃくちゃ怖いやつだ…(震え) 最初はただの不思議な黒板との交流かと思ったけど、果子って呼ばれて「誰?」ってなるシーンで背筋が凍ったよ…。自分の名前すら消えてくって、この黒板、優しそうなフリしてじわじわ侵食してる感じがたまらなく好き。「全部消してあげる」のリフレインがもう呪いみたいで。 とまとさんの「日常に潜む闇」の描き方、本当に上手すぎます🥀続きが気になる…!