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日本語おかしい
付き合い始めて一週間。
会社では今まで通り「先輩」と「後輩」なのに、
二人きりになると、その距離が一気に近くなる。
その日も、残業終わりに先輩の家へ行った。
「疲れてるでしょ。無理しなくていいから」
そう言われるのに、
先輩の部屋に入ると、胸の奥がそわそわして落ち着かない。
ソファに並んで座って、テレビをつけたけど、内容は全然頭に入らなかった。
「……緊張してる?」
先輩が、僕の顔を覗き込む。
「……少し」
正直に言うと、先輩はくすっと笑った。
「可愛いな笑」
その一言で、顔が一気に熱くなる。
先輩の指が、僕の顎にそっと触れて、
ゆっくり距離が縮まる。
キスは、何度しても慣れない。
触れるたびに、胸がぎゅっとなって、息が甘くなる。
「力抜いて。全部、俺に任せて」
低い声でそう言われて、
僕はそのまま先輩の胸に顔を埋めた。
腕に抱き込まれると、不思議なくらい安心する。
ベッドに移る頃には、
もう恥ずかしさより、離れたくない気持ちの方が強くなっていた。
先輩の手が背中をなぞって、
ゆっくり、確かめるみたいに触れてくる。
「嫌だったら、言って」
「……嫌じゃ、ないです」
声が小さくなってしまう。
先輩はそれを聞いて、少しだけ表情を緩めた。
「よかった」
キスはさっきより深くて、
触れられるたびに、身体が熱を帯びていく。
細かいことは、覚えていない。
ただ、先輩の名前を呼んで、
「大丈夫」「ここにいる」って声を聞いて、
それだけで満たされていた。
気づいたときには、先輩の腕の中で、
僕はすっかり力を抜いていた。
事が終わったあとも、先輩は離れなかった。
「……疲れてない?」
「先輩が優しすぎて、逆に落ち着かないです」
そう言うと、先輩は小さく笑って、
僕の額にキスを落とした。
「甘えられるの、嫌いじゃないんだ」
そのまま、ぎゅっと抱きしめられる。
「こえ君はね、頑張りすぎ。
俺の前では、弱くていい」
胸が、じんわり温かくなる。
「……先輩の前だけ、ですよ」
「それでいい」
耳元でそう囁かれて、
また胸が跳ねた。
翌朝、目が覚めると、先輩が僕を見下ろしていた。
「起きた?」
「……はい」
寝ぼけたまま答えると、
先輩は少し困った顔で笑った。
「そのままのこえ君、反則」
またキスをされて、
僕は布団に引き戻される。
「……会社、遅れます」
「もう少しだけ」
そんなやり取りすら、幸せだった。
会社ではまだミスもするし、
全員に好かれているわけじゃない。
でも、
帰る場所があって、
待ってくれる人がいる。
それだけで、僕は前より強くなれた気がした。
先輩の腕の中で、
今日も僕は、ちゃんと愛されている。