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わたげ
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あおね³
いつか笑えるときまで。
いつか救われるときまで。
私は私でいられるの?
そのいつかが来るのは知っている。
でも、それはいつ?
答えは返ってこない。
朝が怖い。
私を掴んで離してくれない。
朝が怖くて眠れない。
そのくせ、起きられない。
布団の中でうずくまったって、何も変わらないのに。
「起きなさい。」
いつかの記憶が幻聴として現れる。
お母さんのあの声。
私を最悪な世界へと連れ出す声。
もうやめて。
わかってるから。わかっているから。
声を出すのも億劫で、夢を見るのも辛かった。
天は二物を与えずとか言うけれど、私には何をくれたのだろう。
学級委員の子はリーダーシップがあって、勉強もできる。
私の部活のエースは運動もできて、コミュニケーション能力もある。
じゃあ、私には?
私には何があるの?
答えてくれる人はいない。
みんな優しいから、私に何もないって言えない。
一応部活には所属してるけど、エースのあの子を見てると悲しくなるから嫌になった。
あの子は才能もあって、それでいて努力してきたから上手になったのだろう。
比べると自分がシミのように黒くなる。
努力には向いていなかった。
今の私は学校に行っていない。
不登校だ。
うちの親は放任主義で、朝早くに仕事に行って、夜遅くに帰ってくる。
誰も私を否定しなかったのに、私は泣くことしか出来ない。
私はわかっていた。
神様が涙を与えたのは、こういうことのためだって。
でも、それが私へではないことも。
こんな日々の狭間で、私は生きている。
「どうして、学校に行かないの?」
「どうして、練習しないの?」
今まで何度も訊ねられた。
どれも、酷い言葉ではない。酷い言葉ではないのに。
私はそれに答えられなかった。
私の思いは単純で、言葉に出すとなんでもないように聞こえてしまう。
「ちょっとだけ、疲れちゃったの。」
「みんなが羨ましかったの。」
心の中では言えるのに。
言葉には出せない。
言えないことだけ増えていって、空の光が痛かった。
明日が来なければ良いのに。
心が死んでしまいそう。
明日が来なければ。
きっと、私は楽になれる。
そんな風に私はもう半分死んでいた。
生きようとも、死のうともしなかった。
そんなときに出会ったのが、あなただった。
「一緒にさ、頑張ってみようよ。私も君も辛いけど、まだ大丈夫な気がするんだ。」
ごめんなさい。
私には無理だよ。
そんな顔で笑わないでよ。
無理に楽しそうにしないでよ。
あなたの言葉を思い出すと、空っぽなはずの心が痛むんだ。
手紙なんて書かなくてよかったのに。
もう、私のことを気にしなくていいよ。
この手紙を読んだあとには、そう言ってあげようと思っていた。
「今日がどんなに辛くても、寂しくても、私は生きています。
そして、君も生きています。
眠れないくらいの夜も、乗り越えて偉いです。
いつか、幸せになれるまで、君は優しくて、綺麗な君のままでいてね。
無理はしないでね。
眠れなかった夜の分だけ、涙があるから、それを持って生きていってね。
それだけで今はいいんだよ。」
でも、ダメだね。
私は。
やっぱり、言えないよ。
もう、泣いちゃうよ。
泣かせに来ないでよ。
こんなに私を泣かせておいて、どうして あなたはいなくなるの。
あ、
そうだった、ごめんね。
あなたもどうしてが嫌いだね。
私とお揃いだね。
だったら、また会えるかな。
コメント
1件
「あなた」の手紙の一文一文が、まるで読んでいる自分の胸にも直接届いてくるようでした…。“眠れなかった夜の分だけ、涙があるから、それを持って生きていってね”——この優しさが切なくて、同時に温かい。主人公が「泣かせに来ないでよ」と拒みながらも、確かに響いているのが伝わってきて、涙が止まりませんでした。第1話からこれだけ心を掴まれるのは久しぶりです。続きが気になります。