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🍌side
最近は、本当に何かが可笑しいくらいに狂っている気がする。
何を食べても美味しいだとか不味いだとか、そういうものを感じなくなった。
眠れなく、なった。
そうしてずっと、ずーっと、眠れない夜を過ごした。
月明かりの下ブルーライトを浴びて虚空を見つめていることへのどうしようもない無力感。
淋しい、寂しい夜をどうしたらいいんだろうかと。
心の奥に無理矢理閉じ込めた思いははち切れんばかりに膨らんでいるのに、気が付かないフリをした。
辛い、苦しい、
ねぇ、誰か、だれかだれか…
たすけて。
⛄side
ドズルさんから切羽詰まった電話が来たのは、曇り空の昼時だった。
⛄「え、連絡がつかない?」
撮影に遅刻するとはおんりーさながら珍しい。
4人の間に気まずそうな、不安そうな不穏な空気が漂って重くのしかかる。
🦍「これだけ電話かけて出ないのは流石に、」
今にも雨が降り出しそうな曇天の中、ぎゅっと唇を噛み締めた。
握りしめた手のひらに爪が食い込んで痛い。
でも今の状況において、この痛みは必要な気がした。
⛄「…行く、」
🐷「え、」
⛄「心配だから、俺がおんりーの家に行ってくる!」
画面越しに、3人が息を呑む音が聞こえた。
ぐらりと沸騰する頭を軽く振り乱し、唇の端を吊り上げる。
⛄「…もう、あの子の気持ちを無視するのは酷やないですか?ぼんさん、」
🍆「は…?」
ああもう、こういう時だけ察しが悪い!
周りの景色が真っ赤に染まって見えなくなる。
こんなにも、こんなにも思っているのに伝わらない。
馬鹿、ほんっと、馬鹿。
⛄「ぼんさんが許可してくれるなら、何も口出ししないなら、俺がおんりーの家に行きます」
痛いほどの沈黙に貫かれる。
どくん、と何度も心臓が早鐘を打って、後悔と充足感がついで溢れ出る。
尊敬しとる先輩にこんな失礼な口きいたの初めてやな、って。
🍆「…、行ってきなよ」
ふっ、と息が詰まった。
予想外の返答に思わず時が止まったような錯覚を覚えた。
🍆「おんりーちゃんは多分おらふくんを待ってるよ」
何、ほんっと何言ってんのこの人。
おんりーが、俺がいくら手を伸ばしても届かない彼の目には、あんたしか映ってないっていうのに。
おんりーが待ってるのは俺なんかじゃないのに、何で、
⛄「…そうですか。せいぜい後悔しないようにしてくださいね」
冷え切った指先をぎゅっと押し付ける。
今にも雨が降りそうな空の下を、傘を持たずに飛び出した。
ここで玉砕してやろう。
初恋の相手に、初恋を粉々に砕いてもらって、開き直りたかった。
どうか、俺の気持ちが、2人に伝わりますように。
どうか、誰も後悔しない結果になりますように。
空に誓ったのは、偽善かもしれなかったけれど。