テラーノベル
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ここは大阪御堂筋沿いのお洒落なカフェ(ハマーバックス)スタイリッシュな雰囲気漂う憩いの場所
夕方の喧騒に包まれて、ガラス張りの店内は、仕事終わりのOLや学生で賑わい、コーヒーの香りがふわっと漂っている
今は奥のモバイルオーダーカウンターで、店員の学がいつものようにキレッキレのトークで桜と奈々相手に場を盛り上げていた
茶髪のソバージュ頭にシルバーピアス、ユニフォームの緑のエプロンすらどこかチャラついた雰囲気で着こなす学は、この店の名物といっても過言ではない
カウンターに寄りかかる桜と奈々は、学のまるで漫才のような小話に楽しそうに腹を抱えて笑っていた
「―でさっ、そこで僕は言ってやったのさ!『君のケツにも何か刺さってるぜ!』ってさっ!」
キャハハハハッ!「おもしろ~い!」
「やめて~!お腹痛い~!」
桜と奈々がカウンターに突っ伏して肩を震わせる、学は得意げにカウンターに肘をついて二人を笑わせている事に達成感を感じている
アハハハハッ「本当!お笑い芸人よりも学君の方が面白い!」
と奈々が言うと、学はさらに調子に乗った
「僕は常に関西人としての誇りを持っているからね」
クスクス・・・「関西人の男性特有の「芸人よりも俺の方が面白い」精神バリバリね」
「どこでそんな面白い話仕入れて来るの?」
「僕のトークはM-1優勝者よりもレベルが高く、スタバの新作ドリンクよりバズるレベルだからね、ところでどう?これからお二人さん、僕と一緒に晩飯でも?もっと面白い話があるんだ」
学が得意げにハマバグッズのキーホルダーを二人に渡す
クスクス「まぁ!ありがとう!いいわよ」
「あ~、あたしはちょっとぉ~・・・」
桜が肩をすくめる
「サクは新婚さんだから誘っちゃダメよ」
と奈々がニヤニヤしながら付け加えると、学の動きがピタリと止まった。
「ちょい待ち! まさかまさかまさかだとは思っていたんだよ!! サクちゃんの薬指の見慣れないそのどデカいダイヤ!」
学の声が一気に加速し、まるで早送りのアニメのよう、目を見開き、カウンターをバンバン叩きながら桜の左手をガン見する
「サクちゃん! 違うよね!違うと言って! 誰かにもらったとかじゃないよね? サクちゃん稼いでるもん! 一生懸命頑張ってる自分へのご褒美だよね? そうだよね! ね! ね!」
「えっ・・・えっと・・・」
桜は少し気まずそうに目を泳がせて口ごもる、そこへ奈々が爆弾を投下した
「ばっかみたい! いくら稼いでてもこんな豪華な指輪買えるわけないでしょ! サクは結婚したのよ! しかも、うちのCEOとね!」
「ええ―――!! ショックで死にそう!!」
「死ねば?」
学の叫び声が店内に響き、近くの客がチラリと振り返る、彼はカウンターに両手をつき、まるで雷に打たれたかのようにガクガクと震えだした
「サクちゃん! 僕達、惹かれ合ってる惑星のようだと感じてたんだよ! 君は太陽なら僕は月!君が土星なら僕はそれに引き寄せられる小惑星! いや、反重力の中心にいる僕の心だと思ってたのにぃ~~~!」
キャハハッ!「衝突して粉々になっちゃったりして~」
と奈々がフラペチーノ片手に茶化す、学はカウンターに額をゴンゴンと打ちつけ、泣きまねを始める
うっうっうっ「ああ~~~! 信じられない! 僕のキャラメル・マキアートが、結婚なんて~!」
「キャラメルマキアートってそれサクのこと?」
「なんか甘そう~~私キャラメル苦手!」
奈々が目をパチパチする、そして桜が舌を出し「うえ~っ」と苦笑いする
「僕のハート、まるでフラペチーノみたいにシェイクされて砕けちゃったよぉ~!」
その時、奈々がふと入り口の方を見て声を上げた
「あっ! 噂をすればだわ! サク! 社長が来た! ほら! 入り口のとこ!」
桜がパッと顔を上げ、入り口に立つスーツ姿の男性——ジンに目を輝かせた
「わぁ!凄い偶然!ジンさん!」
手を必死で振る桜に気が付いたジンがゆっくりこっちへ向かって来た、スーツの仕立ての良さも、堂々とした立ち姿も、まさに彼は「王者CEO」そのものだ
「桜」
彼が登場した瞬間、奈々と学の笑顔が消えた、奈々は緊張してるのかソワソワとジンを眺めている、学においてはジンを睨み見つけている
「こちら、このお店の『学君』学君!こちら私の・・・だ・・・旦那様の・・・ジンさん」
桜の紹介にジンが一言学を見てポツリと呟いた
ボソ・・・「学・・・」
その途端、空気が一瞬ピシッと張り詰めた、学はカウンターに突っ伏していた顔を上げ、ジンの姿をガン見する、同じようにジンも学を睨みつける、学が先に口を開き、わざと明るい声で切り出した
バチバチバチバチバチッ(←効果音)
「どうも~初めましてぇ~いやぁ~知らなかったなぁ~ご結婚おめでとうございます、僕とサクちゃんの間柄に秘密があるなんてぇ~だってサクちゃんがここに通い出してからの仲なんですよ、僕達すごく仲がよかったのに水くさいなぁ~!今度お祝いにコーヒーご馳走しましすよ(マウント1)」
バチバチバチバチバチバチッ(←効果音)
「それには及ばない、毎朝彼女が僕のためにカフェラテを買ってきてくれるからそれで間に合っているよ、聞いてないかい?電話した方がよかったかな?学君?(マウント×2」
ジンの声は穏やかだが、桜はもう自分のものだとでも言うような余裕と威圧感が漂う
二人のにらみ合いが続き、辺りには目に見えない火花がバチバチと散る、まるで今にも雷の呼吸・霹靂一閃が発動して店が吹っ飛びそうだ
それを見た奈々はプッと吹きだした
明らかにジンが学にマウントを取っている様子を見て、彼が桜に好意を寄せていて、この二人のもどかしすぎるぐらいの「偽りの結婚」がもしかしたら本物になるのではないかと期待に胸を躍らせるのだった
一方、恋の微妙な空気を経験不足から読めない桜は、ただニコニコして電撃火花を散らす二人を眺めているだけだった
うふふ♪―二人が仲良くしてくれてよかったわ―
(↑超ニブチン桜)
コメント
2件
学くんごめんねー🙏ジンには敵いません🤣
奈々ちゃんお察しの通りよ〜😁 周り困ったちゃんだらけだけど🤣これからも応援よろしくね👍