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タクシーはマンションの前で止まった
🤍ここは、阿部ちゃん家?
💚そう。入って。
ソファーに並んで座る。
🤍……ごめん、俺、見つけちゃって
💚うん、まあ。いつかはバレると思ってた。
🤍でも、なんで……あんな形で……?
💚吐き出したかっただけ。言えないことって、あるでしょ、
🤍でも、あの名前とか、あれはどう転んでも佐久間くんだよね。
💚それが一番バレないし、バレても問題ないと思ったから。
🤍ひどくない?
💚……ラウールに言われたくない。
🤍え?
💚気づいたのに、言わずに探った。誰がやってるか、どうしてか。で、カマかけたよね。
🤍それは……
💚どーせ面白半分でしょ?恋なんてした事ないんだから。
🤍う……
💚主導権は渡さない。
🤍……っ
💚俺は、“わかってる上で、黙っててくれる人”が欲しかっただけ。
🤍言わないよ、そんなの……
💚ありがとう。 気付いたのがラウールで良かった。
さっきとは違うが、気まずい空気のまま。
阿部ちゃんはいやらしくニヤリと笑った。
💚初めてだっけ?こういうの
🤍え……な、なにが
首筋から胸元まで人差し指でなぞる。
🤍っ……
💚顔に出すぎ。わかりやすいね、
静かに近づいていく。手を頬に添える。
💚怖い?
🤍阿部ちゃん 、やめ……っ
💚違うよ。俺が欲しいのは、君じゃない。
……でも、僕の相手は出来るよね。
🤍それ、本気で言ってるの?
💚本気だよ。でも、やめてほしいなら言ってごらん。どうせ “こういう経験”ないんでしょ
🤍……////
💚そういうの、俺、嫌いじゃないよ。
知らないまま、手のひらで転がされる感じ。
🤍ひ、ひど、
💚そうだね
それでも、手は離さない
阿部はラウールに口付けをした。