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第参話
【快楽を覚える。】
メリバ確定エンドです。
御注意を。
ーーー
焦っていた。人が死んだ。
でも、声に出してはいけない。顔に出してはいけない。そういう立場でそういう役だ。
あえて冷静に自分に囁くようにしにがみに言った。
しにがみも覚悟を決めたのか、無線機からは声はなくなる。
しかし、無線機は忙しなく鳴る。
無線機からの通話要請だ。
なんとなく察しは付く。
「クロノアさん!グリーンヒルズで薔薇に刺されている斎藤さんが!!」
声の声色からして冗談ではないようだった。
「分かっているよ。監視室だよね?時間の履歴を辿って。」
指示を送るとすぐに返信が返ってくる。信じがたい真実を乗せて。
「それが、何者かの影響で殺害数分前程から黒くなっていました。」
自分にはこの殺害がどんな思惑でやっているのか想像もつかなかった。
分かるのは殺されたのは斎藤で、青い薔薇に刺さっているということだけ。
ドッキリにしてはスケールが大きすぎる。これがドッキリとするならこの施設全体を揺るがす事態になることは彼らが一番分かっているはずだ。
つまり、あり得ない。ドッキリではないのなら、なんなのか。
現実的に不可能なのだ。そもそも青い薔薇で胸を指すなんて。
それでも犯人はやってのけたのだ。
思考が忙しなく回る。その中で自然と出てきた答え。
それは正しいかも分からない推測の域に過ぎない。けれど頭の中でそう思った。
愉快犯である。ここの全員はいつか殺されると。
思考をしていけばしていくほど[自然]とその答えにたどりつく。
出に汗が滲む。逃げ出したい。けれど出来ない。自分は施設の管理人で指示系統の役割を任されているから。
逃げたらこれこそ施設が崩壊する。それだけ異隔者は異質で異形なのだ。
(早く連絡を…)
全員に向けて無線を飛ばす。
【斎藤が殺害されたと。】
ーーー
らっだぁ「〜♪」
鼻歌を歌いながら上機嫌なのを見てぺいんとは驚きを隠せなかった。
ぺいんと「え、どうしたの?そんな気分ルンルンで。 」
そう言うとらっだぁは笑みを浮かべる。最近はしばらく見ていなかった心の底からの笑み。
らっだぁ「…ナイショ。」
静かに、けれど嬉しそうに呟く。
しかし、心のなかではお祭り騒ぎだった。
初めて人を殺した事を実感して腹踊りを二日も出来そうな気分である。
しかし、捜査の最初は怨恨の相手から調べる。つまり、動機から調べる。それは退屈だった。
だから少し魔法をかけた。[自然]と快楽犯であると思わせたのだ。
しかし、らっだぁには予想外の事も起きていた。
しにがみ…つまり第一発見者が予想よりも早かった事だ。
人は立ち寄るが、あまり頻繁に通う場所ではない。そのため、予想では三十分〜2時間程かかると思っていた。
退屈なのは嫌だけれども、バレるバレないの延長線を愉しみたかったらっだぁにとっては青い薔薇を数分前に刺した。と言う状況はヒントになりすぎていると感じた。中盤戦で持ってくるはずだった情報が先に開示された気分である。
そのため…
(その紫を殺そう。)
そう考えた。
次回
【狂気になる前に 。】
コメント
1件
第3話、読み終わりました……! 冒頭の焦燥感から一転、犯人がらっだぁだと分かる構成、ゾクゾクしました。特に「心の底からの笑み」で快楽殺人をほのめかす描写が不気味で美しくて。しにがみが早く発見したことで「その紫を♡♡♡う」と考える流れ、次回が本当に気になります。メリバ確定という覚悟も含め、丁寧に張られた伏線が光る回でした。
ほいっぷ🍰☕️
1,002
꒰ঌ匿名ちゃん✟໒꒱2
193
926
ポテサラ
420